News | 2003年2月19日 11:59 PM 更新 |
富士写真フイルムは2月19日、スーパーCCDハニカムの第4世代モデル「スーパーCCDハニカムIV」を搭載したコンパクトデジタルカメラ2機種「FinePix F410」と「FinePix F700」を発表した(スペックの詳細は別記事を参照)。
同社は1月22日に、新世代のスーパーCCDハニカムを発表していた。今回の新製品は、この新デバイスを搭載したはじめてのモデルとなる。
4世代目となるスーパーCCDハニカムIVには、特性の異なる2つのバージョンが用意されている。1つは、同社独自の微細化技術を駆使して1/1.7型CCDで有効画素数635万画素(総画素数663万画素)という多画素化を可能にした「スーパーCCDハニカム IV HR」。もう1つが、第3世代に比べて約4倍のダイナミックレンジを実現した「スーパーCCDハニカム IV SR」だ。今回の新製品ではFinePix F410にHRを、FinePix F700にSRを、それぞれ搭載した。
銀塩フィルムのメカニズムで広いダイナミックレンジと高感度とを両立
注目は、スーパーCCDハニカム IV SR搭載のFinePix F700。銀塩フィルムのメカニズムを取り入れたというそのユニークな画素構造は、感度の高い「S画素」とダイナミックレンジが広い「R画素」で構成。2種類の性質の異なる画素を最適に加算する事によって、広いダイナミックレンジと高感度とを両立させた。
「SRの特性をオーディオに例えるなら、低音から高音まで幅広い領域のサウンドを再現できるようなもの。真っ白いハイライトの部分からシャドウまで再現できる。銀塩フィルムでは、これを感度の異なるハロゲン化銀粒子で対応していた」(同社)。
「光量が多くなると明るい部分(ハイライト)が白くつぶれてしまう“白とび”という現象が発生する。このS画素が飽和する地点から、R画素がハイライトの記録を担当していく。このような仕組みで、従来のスーパーCCDハニカムに比べてダイナミックレンジを約4倍に向上させた」(同社)。
R/S画素ともに約310万画素なので、この2種類の画素で構成されるSRの有効画素数は、カタログスペック上では620万画素となる。このSRを搭載したF700では、独自信号処理によって最大2832×2128ピクセル(約603万画素)の画像を撮影できる。 レンズは沈胴式の光学3倍ズームを搭載し、横長ボディの中央付近に配置している。このような横長タイプのコンパクトデジカメは、同社では初となる。
フィルムを使い分ける感覚で絵作り――「FinePix Photo mode」
今回の新製品2機種には「フィルムメーカーの真骨頂といえるシステム」と同社がアピールする新機能「FinePix Photo mode」が搭載されている。
これは、記録画素数/感度/色調/プリント予約といった設定操作を、液晶ディスプレイ横に設置されたフォトモードボタン(Fボタン)1つに集約したもの。特に色調設定では、標準色調の「F−スタンダード」のほか、風景や花を鮮やかに撮影できる「F−クローム」やモノクロモード「F−B&W」などが瞬時に切り替えられ、思い通りの絵作りが行えるという。
「花や風景などはより深みのある鮮やかな調子で撮影する。銀塩写真の世界では、これをフィルムの変更で対応してきた。感度/色調/枚数などが、銀塩フィルムの種類を選ぶようにボタン1つで行えるようにしたのがPhoto mode」(同社)。
記録サイズ1000万画素超のHRは次期ハイエンドモデルまで“おあずけ”
高度な微細化技術によって多画素化を可能にしたスーパーCCDハニカム IV HRは、最大4048×3040ピクセル(1230万画素)の“超”高解像度画像を撮影できるのが“売り”のはず。しかし、そのHRを搭載したF410の最大記録画素数は、2816×2120ピクセル(600万画素)と、約半分のスペックになっている。
これは、F410に採用された撮像素子のサイズが「1/2.7型」で、技術発表時に紹介されたサイズ(1/1.7型)の約半分になっているためだ。「コストと性能のバランスを考え、F401の後継機であるF410には1/2.7型を採用した。フルサイズ(1/1.7型)のHRは、近日発表予定のハイエンドモデルで採用する」(同社)。
新スーパーCCDハニカムとともに、イメージキャラクタも一新
同社では、FinePixのイメージキャラクタにタレントの藤原紀香さんを使ってきたが、新しいスーパーCCDハニカムを採用した新製品にあわせてイメージキャラクタも一新。元SPEEDのメンバーで現在は女優や歌手として活躍中の「上原多香子」さんが、新キャラクタに起用された。
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[西坂真人, ITmedia]
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