News 2003年2月27日 00:16 AM 更新

グリッドとオートノミックはどこまで現実に近づいたか――IBM Forum2003(1/2)

開催中の「IBM FORUM2003」でオートノミックコンピューティングやグリッドコンピューティングといった、最先端の“コンピュータ”のデモが行われている。いったいどのぐらい実現に近づいているのだろうか?

 IBMのビジネスソリューションモデルや新技術を紹介する「IBM FORUM 2003」が、2月26から28日まで、日本アイ・ビー・エムの箱崎事業所とロイヤルパークホテルで開催されている。今年のサブタイトルは「オンデマンド時代の幕開け−e-business on demand−」。この中から、ここでは「オートノミックコンピューテイング」と「グリッドコンピューティング」のデモを中心に紹介しよう。


「IBM FORUM 2003」IBM箱崎会場

Level4「Adaptive」を世界で初めて動作

 IBMではオートノミックコンピューティングを「eビジネスオンデマンドオペレーティング環境」を推進する基幹システムとして位置付けており、現在、米国ワトソン研究所が中心となって開発が行われている。オートノミックコンピューティングの開発は5段階のフェーズで進められているが、今回のFORUMでは、Level4と呼ばれる「Adaptive:適応レベル」を世界ではじめて実現したシステムのデモを行った。

 Level4で求められる機能は「ITスタッフは計画を自動的に実施するためのポリシーを提供する」と定義されている。すなわち、システムには、与えられたポリシーに従って自動的にシステムの環境設定が行う機能が求められる。

 今回のデモでオートノミックコンピューティングを実現しているのは、「HotRod」と呼ばれる複数のモジュールで構成されるソフトウェアだ。これは研究開発用のもので、サーバにかかる負荷を前もって予測し、その予測負荷に合わせて稼動サーバのアサインを「自立的に」行う。


HotRodが動作していたハードウェア。写真右にあるブレードサーバ4台(内3台がWebサーバ)を使って、オートノミックスコンピューティングを実現している

 HotRodのモジュール構成は以下のようになっている。

  • WAS v5
  • DB2 UDB v8
  • SpecJAPP

     これは、擬似的に負荷をかけるために動作させるソフトで、米国SPEC社が開発したクライアントサーバシステムにおけるJAVAベースアプリケーションの実行パフォーマンスを測定するベンチマークである

  • ユーザーインタフェース

     負荷のコントロール、負荷状況のグラフ表示、オートノミックスのオンオフ設定などを行う

     以上は、普通にあるWebサーバソリューションの負荷テスト環境だ。これにオートノミックスを実現する「Monitor」「Analyze」「Plan」「Execute」の各機能を実現した以下のモジュールが加えられる。

  • システムアクセスブローカー

     現在Webサーバにかかっている負荷の情報を取得し、加えてサーバの制御指令を後述するプロビジョナーに伝達する

  • コントローラ

     「Monitor」機能をカバーするモジュール。受け取ったサーバの負荷情報の伝達、加えてWebサーバの制御命令を転送する。

  • フォーキャスター

     「Analyze」機能をカバーするモジュール。受け取った負荷の時系列推移から将来考えられる負荷を予測する

  • HVWSシミュレータ

     「Analyze」「Plan」をカバーするモジュール。フォーキャスターが求めた負荷予測から、必要とされるシステムリソース(このデモの場合Webサーバの台数)を算出する

  • プロビジョナー

     「Execute」をカバーするモジュール。HVWSシミュレータで算出された稼動サーバ台数に従って、Webサーバの稼動台数を制御する。


    HotRodを構成するモジュール構成。中心に位置するソリューションマネージャー、デプロイメント・マネージャーがオートノミックコンピューティングを実現するモジュール群

    システムが自分で負荷を予測し、最適なリソースを割り当てる

     今回、注目されるのは、システムが「自分で」将来の負荷を予測して、その負荷に合わせたシステムリソースをアサインする機能を実装した点だ。

    [長浜和也, ITmedia]

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