News | 2003年3月11日 07:47 PM 更新 |
CD-Rのときもそうだったが、記録型DVDでも、メディアの低価格化は、安価な台湾メーカーによる価格破壊がきっかけになっている。国内で主流のDVD-Rメディアの場合、安価な台湾メーカー製メディアが大量に販売されるようになってから、価格も随分こなれ、最近では、秋葉原の専門店などで100円を切る価格で販売されていることも珍しくない。
こうしたメディアの低価格化が、その普及に果たす役割は非常に大きい。だが、その一方で、こうした超低価格メディアの品質に疑問を投げかける業界関係者は少なくない。それは、きちんとしたメディアを製造している国内大手メディアメーカーはもちろん、ドライブ製造メーカーにも共通するものだ。
記録できたはずが、読めなくなる
記録型DVD用メディアで怖いのは、低品質なメディアを使った場合、一見きちんと記録できているように見えながら、実際には“本当に読めないもの”を作成してしまうことがあることだ。
確かに、CD-Rでも低価格・低品質メディアが問題になったことがあった。しかし、あの時には、書き込みに失敗するとか、読みにくいものを作成してしまうといったトラブルは数多く発生したが、記録したものが「読めない」ケースはそうなかった。読みにくいケースでも、多くの場合では、機器さえ選べば読み出すことが可能だった。
しかし、記録型DVDでは、状況がこれと異なっている。本当に品質の悪いメディアでは、メディア外周部で「ライトエラー」が発生。途中で記録が強制終了してしまうことがあるほか、「書き込み後になって読めない」ディスクが作成されることがあるからだ。
また、DVD-Videoを作成した際、映像にブロックノイズが大量発生してしまうことも、品質が悪いメディアではよくある。この場合、特にメディアの外周部で発生することが多い。
こういったメディアでは、記録終了後にコンペアしてみると「コンペアエラー」が出たり、「DVD CATS」などの業務用検査機を使って測定してみると、訂正不能エラーが発生していたりする。
もちろん、こういったケースが数多く見られるのは、極安で売られている台湾メーカー製メディアだ。国内メーカーでも全くないとは言い切れないが、きちんとした品質管理が行なわれているので、そういったことはほぼ存在していない。
加えて、悩ましいのは、台湾メーカー製メディアではロット差が大きく、同じメーカーの同じ製品でも、問題があったり、なかったりすることだ。だから、ある製品でトラブルがなかったからといって、次に同じものを買っても、今度は問題ありになるケースが少なくない。どのロットがよいかなどユーザーには分からないから、結局は購入してみて問題の有無が初めて分かる。
この状況を特に嘆いているのが、ドライブメーカーだ。CD-Rでもそうだったが、トラブルが起こった時、最初に疑うのはメディアではなくドライブ、というのがユーザーの心理だからだ。その結果、ドライブメーカーのサポートには、“濡れ衣”の苦情やクレームが大量に寄せられてしまう。
「低価格で低品質のメディアは何とかならないのか。規格を満たしていないものは、売ってはいけないとするべきなのではないか」。あるドライブメーカーでは、こう苦言を呈する。
DVD-RAMの交替処理機能を“悪用”する粗悪メディア
低価格・低品質メディアによるトラブルは、低価格化が著しいDVD-Rメディアだけに限った話ではない。その他の記録型DVDメディア全般にも言えることだ。この中で、笑い話とすら言えそうな話が起きているのが、DVD-RAMメディアだ。
[北川達也, ITmedia]
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