News:ニュース速報 2003年3月12日 11:51 AM 更新

インテル、Centrinoを正式発表

インテルは、「インテル Centrino(セントリーノ)モバイル・テクノロジ」を日本で正式発表した。Centrinoを構成する各チップは同日から出荷を開始、PCメーカー各社が搭載製品を順次発表する

 インテルは3月12日、「インテル Centrino(セントリーノ)モバイル・テクノロジ」を日本で正式発表した。Centrinoを構成する各チップは同日から出荷を開始、PCメーカー各社が搭載製品を順次発表する。

 Centrino第1弾は「Pentium M」プロセッサ(開発コードネーム:Banias)、「855PM」チップセット、グラフィック機能内蔵の「855GM」チップセット、IEEE 802.11b対応無線LANチップ「PRO/Wireless 2100 ネットワーク・コネクション」で構成される。各チップは互いに連携して動作するように最適化され、バッテリ持続時間の延長や薄型軽量ノートPCを実現できるという。

 Pentium Mは0.13μメートルプロセスで製造され、7700万個のトランジスタを集積している。ノートPC用に最適化された新マイクロアーキテクチャを採用し、「アドバンスト分岐予測」「専用スタックマネージャ」やFSB 400MHz、1Mバイトの省電力L2キャッシュメモリ、拡張版SpeedStepなどを搭載。SSE2をサポートする(関連記事を参照)。

 855PM/GMチップセットは拡張版SpeedStep、Deeper Sleepモードに対応し、チップセットが動作していない時はチップセットの内部クロックを自動停止する内部タイマーを備えている。最大2GバイトのDDR266メモリを搭載でき、USB2.0を標準サポートした。

 PRO/Wireless 2100 ネットワーク・コネクションはIEEE 802.11bに準拠した無線LANチップ各種セキュリティ技術をサポートする。

 インテルによると、バッテリ持続時間と処理性能を測定するベンチマーク「MobileMark 20002」では、Centrino搭載ノートPCは最大5時間以上のバッテリ持続時間を達成し、Pentium IIIノートの約4時間、Pentium 4-Mノートの約3時間を上回ったという。

 またマルチタスクにおけるオフィスアプリケーションの実行性能でも、モバイルPentium III-M/1.2GHzと比べ41%、Pentium 4-M/2.4GHzと比べ15%の性能アップが見られたとしている。「WebMark」ではモバイルPentium III-M/1.2GHzに比べ59%、モバイルPentium 4-M/2.4GHzに比べ13%向上したとしている。

 プロセッサ、チップセットの価格は以下の通り。

製品名価格(1000個ロット時)
Pentium M/1.6GHz7万8010円
Pentium M/1.5GHz5万1800円
Pentium M/1.4GHz3万6000円
Pentium M/1.3GHz2万5590円
低電圧版Pentium M/1.1GHz3万2090円
超低電圧版Pentium M/900MHz2万9510円
855PM4530円
855GM5140円
PRO/Wireless 2100 ネットワーク・コネクション5630円



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