News 2003年4月11日 03:28 PM 更新

次のPentium M、Dothanはどうなる?(1/2)

IDF2日目、Intelモバイル部門の責任者、Anand Chandrasekher氏が共同記者会見を行い、Centrinoリリース後の状況や、次のPentium MであるDothanについて質問に応じた

 Anand Chandrasekher氏は米Intelモバイルプラットフォームグループ事業本部副社長兼事業本部長として、先月発表されたCentrinoモバイルテクノロジのマーケティングを率いてきた。

 その同氏が「インテル デベロッパ・フォーラム Japan Spring 2003」での基調講演に先立って、共同記者会見を開いた。もちろん、質疑応答の中心になったのは、同社として初めてのモバイル専用プロセッサ、Pentium Mと、それを中心としたCentrinoプラットフォームに関するものだった。


Anand Chandrasekher氏

これからのPC市場には日本のベンダーに多くのチャンス

 質疑応答に先立って簡単なプレゼンテーションを行ったChandrasekher氏は「ワールドワイドのノートPCシェアがマーケット全体の20%にしか過ぎないのに対して、日本市場はすでに50%がノートPCへと移行している。しかし、このフォームファクターにはこれまで、大きなひとつの不満があった。それはパフォーマンス不足だ」と指摘。

 プロセッサパフォーマンスを向上させるとバッテリ持続時間が短くなる。バッテリ持続時間が短いとノートPCの付加価値が低下してしまう。さらに、ワイヤレスネットワークに接続する機能がなければ、携帯性の高さを生かせない。Centrinoの戦略は、こうした問題点に対するインテルの回答だ。

 「発表して1カ月、東京からはじまったローンチイベントからは非常によい結果、反応があった。また、実際に世界中でよく売れており、評判も良好だ」とその成果について自画自賛した。ご存じのように、Centrinoプラットフォームに移行することで、Pentium IIIよりも50%から40%パフォーマンスアップし、バッテリ持続時間はPentium 4よりも1時間以上も伸びる。

 またCentrinoは、もうひとつの新しいマーケティングプランでも注目を集めた。無線LANのユーザー体験向上に向けた接続性検証への取り組みである。企業向け無線ネットワークソリューションやホットスポットに対する接続性検証を徹底して行った。同様のプログラムをワールドワイドで展開することで、海外に出張した時にも、出先でワイヤレスネットワークに接続可能なことを保証できる。

 同氏は次世代Pentium MのDothanについても言及。90ナノの300ミリウェハで製造されるDothanは、Baniasよりも多くのチップを量産可能で、30%のコスト削減を達成できる見込みという。また、シームレスにBanias向けのハードウェア設計に実装可能という。

 「Baniasで実績を作った安定したプラットフォームに対して、パフォーマンスの向上と消費電力の低減をもたらすのがDothan」(Chandrasekher氏)。

 それでは質疑応答の様子をお届けしよう。

ギガビットイーサネットのノートPC用チップセットの統合はどうなりますか?

 将来、チップセットに内蔵されるでしょう。しかし、いつになるかは、私は今、情報を持っていません。もしかしたら、別の担当者が知っているかもしれませんが。チップセット内蔵でなくても構わないならば、すでに提供済みです。

Dothanのウェハーコスト30%低くなるとのこと。では、OEM向け価格に関してはどうでしょうか?

 バリューバージョン(Celeronのライン)のモバイルプロセッサを出そうという計画はあります。Pentium M全体の価格戦略についてはコメントできませんが、製品ラインの価格は、ユーザーが得る価値をベースとしたものになるでしょう。

 われわれにはライバルも存在するため、各製品カテゴリーにおいて競争力のある価格設定を行うことになるでしょう。つまり、これまで通りということです。

Dothanは、どのようなチップになるのでしょう?

[本田雅一, ITmedia]

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