News:ニュース速報 2003年4月14日 05:42 PM 更新

シャープ、人間の目と同等性能のCMOSを開発 撮影可能明暗比が1万倍向上

シャープは4月14日、撮影可能な明暗比を1万倍以上向上したCMOSセンサーを開発したと発表した。トンネル内から見たトンネル出入り口、といった被写体でも白飛び・黒つぶれのない画像を撮影できる

 シャープは4月14日、撮影可能な明暗比通常のイメージセンサーに比べ1万倍以上向上した対数変換型CMOSセンサーを開発したと発表した。白昼のトンネル内から見たトンネル出入り口、といった被写体でも白飛び・黒つぶれのない画像を撮影できるという。


車載用途の事例:「西日が差し込むトンネル出入り口」で、左は従来のCCD、右は新型CMOSセンサー

 開発したセンサーは1/2型で640×480ピクセルの画像を撮影可能。人間の網膜に近いダイナミックレンジを実現したのが特徴だ。

 人間の目の場合、光の強さに対する応答が対数的な関係にある。新センサーはこれを利用し、同様の撮像特性をセンサーに持たせた。この結果、撮像可能センサー面照度は0.01ルクスから10万ルクスと、同一画面内における明るい被写体と暗い被写体の明暗比が1000万倍でも撮影できるようになった。光量調節に必要な絞り機構も不要になる。毎秒45−4000フレームの高速撮影機能も備えた。

 従来のセンサーでは、同一画面内に明暗差が激しい部分がある場合、ハイライト部は真っ白になったり、シャドウ部は真っ黒になってしまう「白飛び」や「黒つぶれ」といった現象が起きてしまう。この場合は絞り機構などで光量を調節する必要があるが、車載用途の場合「対面する相手側ヘッドランプの後方に位置する物体」など、明暗比がセンサーのダイナミックレンジを超えてしまった場合や、急速な絞り調整が必要な用途では撮影が困難だった。

 新センサーならこうした問題も解決できる、ITSの運転者支援システムや監視用、ロボット用などの応用が期待できる。シャープは携帯電話やデジタルカメラ用途のセンサーに加え、新技術の活用で積極的に新規需要を開拓していくとしている。

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