News 2003年4月15日 03:16 AM 更新

GIGABYTEのCanterwoodマザー、お得意の“多機能路線”で登場

ベンダーから一斉に発表されたIntel 875Pマザーボード。GIGABYTEからは、Serial ATA RAIDで0と1、Ultra ATA/133 RAIDでも0と1に対応するなど、インテルのスペックを上回る機能を持たせた製品が登場した

 日本ギガバイトはIntel 875P搭載マザーを発表に先立ち、報道向けの新製品説明会が4/12−13日に開催された「GIGABYTE Expo 2003 Spring in Akihabara」のクローズドブースで行った。

 説明会には新しく日本ギガバイトの社長に就任した林宏宇氏も登場。「何においても価格が安いことだけを求められる、現在の日本の経済は“せつない”状況」と日本の経済の現状からGIGABYTE製品のポリシーを語り始めた。

 林社長によれば、経済の本質とは語源の「経世済民」の意味である「世を治め、民の生活を安定させること」。「GIGABYTEの製品は、ただ安いだけでなく、買った人が幸せを感じることができる、高品質でこだわりがある製品でなければならない」と主張する。

 この「こだわりのある製品」の実例として林社長は、「SiS655搭載マザーボードのリファレンスレイアウトはメモリスロットが2本ずつに分かれ、それぞれCPUソケットの右と上に90度ずれて配置されている。しかし、それでは使いにくいのでGIGABYTEのマザーボードではすべて同じ向きでまとめて配置している」と説明した。


日本ギガバイト代表取締役社長、林宏宇氏「ただ安いだけでなく、買って幸せになれる高品質とこだわりがないといけない」

 今回登場するGIGABYTEのマザーボートは、以下のようなラインアップになっている。

Intel 875P搭載マザー

  • GA-8KNXP Ultra
  • GA-8KNXP
  • GA-8IK1100

VIA Apollo KT400A搭載マザー

  • GA-7VAXP-A Ultra
  • GA-7VAXP-A
  • GA-7VAX1394-A
  • GA-7VAX-A


今回GIGABYTEが発表したIntel 875P搭載マザーボードラインアップ

 このうち、Intel 875Pはインテルから4月15日に発表された最新チップセット。GIGABYTEの新マザーボードもFSB 800MHz対応、デュアルチャネルDDR400、CSA、Serial ATA、AGP8Xと、Intel 875Pでサポートされた新機能をすべての製品でサポートする。

 加えて、リファレンスレイアウトで4基(2基×2チャネル)だったDIMMスロットが6基(3基×2チャネル)と増強された。また、CSAのほかにもギガビットイーサネットコントローラとしてIntel 82547EIを搭載。GIGABYTEによれば「CSAでサポートされるIntel PRO/1000CTよりパフォーマンスが期待できる」というのが、その理由だ。

 8KNXP Ultraと8KNXP、8IK1100の差別化は追加されているインタフェースによってなされている。

 最上位機種のGA-8KNXP Ultraは、4ポートのUltra ATA/133を実装しており、GIGARAIDコントローラチップ(IT8212D)によってRAID(0、1)を構成する。さらに、AdaptecのUltra 320 SCSI コントローラも実装しており、サーバ向けシステムとしても十分対応できる。


GA-8KNXP Ultra。最大の特徴はUltra 320 SCSIの対応。ほかにもUltra ATA/133 IDEボートを4基搭載し、IDE RAIDの0、1を構成できる

 GA-8KNXPはGA-8KNXP UltraからUltra 320 SCSIコントローラを外した代わりに、IEEE 1394と3ポート搭載した構成。そして、最廉価版のGA-8IK1100はIEEE 1394が2ポート、Ultra ATA/133ポートも2基だけになる。


GA-8KNXP。Ultra 320 SCSIはないが、IEEE 1394を3ポート、Serial ATAは全部で4ポート、Ultra ATA/133も4ポート搭載、しかもどちらもRAID0、1に対応するなど、コンシューマー用途としては最も有用な構成だ


GA-8IK1100。最もリファレンスに近い構成。ただしIEEE 1394ポートを2基搭載するなど、コンシューマー向け機能が追加されている

 GA-8KNXP Ultra/GA-8KNXPはともにGIGABYTEが得意とするハイエンド多機能マザーで、電源、BIOS、RAIDにデュアル構成を持たせている。

 DSP(デュアルパワーシステム)と呼ばれる電源システムは、最新のDSP2とバージョンアップ。パラレルモードで大電力を安定して供給するだけなく、バックアップモードでメイン電源回路が故障しても予備の電源回路で供給を維持できる。


DSP2は2つのモードを持ち、デュアルモードでは大電力の安定供給、バックアップモードでは故障した場合の補助供給にそれぞれ対応する

 さらに、対応するVRMが今までの9.0から10.0となり、設定電圧が12.5mV刻みに、設定幅が0.8375Vから1.6Vと、より細かい電圧設定が可能になっている。さらに、CPU負荷によって供給電圧が可変になる機能もサポートされている(ただし、GIGABYTEによればこの機能はPrescottからサポートされるとしている)。

 また、スマートFANというCPUファンとノースブリッジファンの制御機能も新たに追加された。

 これはファンから発生する騒音を低減させるためのもので、CPUファンは監視しているCPUファンの温度にあわせて3段階の回転数に制御する。ここまでは今までもあった機能だが、これに加えてノースブリッジクーラーファンも時間指定で回転数を2段階で切り替えられる。例えば気温の高い日中は回転数を上げておき、気温の下がる夜中から早朝にかけて回転数を下げることが可能になる。


スマートFANの特徴はノースブリッジFANの回転数を時間単位でコントロールできること。日中は気温が高く、環境騒音も高めなので回転数も高めに。夜間は気温も低く、環境騒音も低めなので回転数も低めに、とユーザーの利用状況に合わせて時間を設定できる

 もちろん、XPress3テクノロジー、デュアルBIOSなど、これまでGIGABYTE製マザーボートに実装されてきたBIOSレベルのインストール、バックアップ、レストアユーティリティもサポートしている。

 説明会ではAthlon XP対応のVIA Apollo KT400A搭載マザーも発表された。Apollo KT400Aは従来のApollo KT400のスペックにDDR400の正式対応を加えたもの。GIGABYTEによれば、このチップセットの供給を受けられるのはGIGABYTEのみ。そのため、このチップセットを使ったマザーボードは、GIGABYTEだけが発売できることになっている。

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[長浜和也, ITmedia]

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