News 2003年5月13日 02:12 PM 更新

Athlon XPがFSB 400MHz時代に突入。モデルナンバー3200+の実力は?

遅ればせながら、AthlonXPにFSB 400MHzモデルが加わった。最初に投入されるモデルナンバーは3200+。従来のFSB 333MHzの最上位モデル3000+から「AMDの指標」としては200MHzぶんの性能向上となるが、真実は如何に。早速ベンチマークで測定したパフォーマンスを見てみよう

 Athlon XP 3200+のCPUコアは、従来と同じ0.13マイクロプロセスのBarton。実際の動作クロックは400MHzの5.5倍にあたる2.2GHzだ。これは、FSB 333MHzのAthlon XP 3000+(2.17GHz:Bartonコア)と同程度の動作クロックとなるが、バススピード上昇によるパフォーマンスアップを、AMDは200MHz程度と評価しているようだ。コア電圧は1.65Vとなっており、従来と変化はない。

 ちなみにOPN(Ordering Part Numbers)は、「AXDA3200DKV4E」となっている。Athlon XP 3000+の「AXDA3000DKV4D」とは、モデルナンバーおよび最後のアルファベットのみが違っている。最後のアルファベット「E」がFSB 400MHzを示している。その前の数字「4」が512KBのキャッシュ容量を表しており、ここからBartonコアであることがわかる。

 先ほどの述べたように、今回登場したAthlon XP 3200+のコアクロックはAthlon XP 3000+から33MHzしかアップしていない。CPUクロックがギガ単位で語られる世の中で、33MHzは誤差程度。本当にこれでモデルナンバー200相当のアドバンテージがあるだろうか。そこで、パフォーマンスを測定するべく、定番のベンチマークをいくつか実行してみた。なお、比較データとして、Athlon XP 3000+のパフォーマンスも測定している。

 テスト環境は以下の通りだ。

csv2table
ベンチマークテスト環境
マザーボード ASUSTeK A7N8X Rev1.4(3000+)およびRev2.0(3200+)
HDD Seagate Barracuda 7200.7(120GB UltraATA/100 8MBキャッシュ)
ビデオカード Leadtek Winfast A280 GeForce4 Ti4800SE 128MB(ドライバ:Detonator 41.09)
メモリ Corsair PC3200 256MB×2(2-3-3-6のメモリタイミングで測定)
OS Windows XP Professional英語版+SP1

 測定を行ったベンチマークソフトは、SYSmark2002、3DMark 2001 SecondEditon Build330、TMPGEncによるエンコードタイム測定、FinalFantasy XI Official Benchmark Ver.1.1の4つ。3DMark 2001 SEでは、解像度640×480ドット、32ビットカラーに設定し、ソフトウェアT&Lによるスコアを測定している。TMPGEncでは、DVフォーマットの31秒959フレームの動画を、7MbpsのMPEG-2にエンコードするのに要した時間を測定した。


SYSmark2002 Internet Content Creation、Office Producivity、SYSmark2002 Rating


3DMark 2001 SecondEdiron


FINALFANTASY XI Official BenchMark


TMPGEnc(DVフォーマット(31秒959フレームを、7MbpsのMPEG-2にエンコードするのに要した時間)

 SYSMark2002 Ratingの結果は272。Athlon XP 3000+との比較では約7%のアップであり、モデルナンバーのアップ分6.6%を超えている。そのほかのベンチマークでも、FF XIベンチで約8%、3DMark2001 SEとTMPGEncでは約13%ものパフォーマンスアップを実現している。AMDが付けたモデルナンバーは妥当であるといえるだろう。

 Athlonシリーズの中では、当然のことながら最も高いパフォーマンスを示すAthlon XP 3200+だが、FSB 800MHzを先にリリースしたPentium 4と比較すると、そうとも言えなくなる。特に、SYSMark2002のInternet Content Creationでは、Pentium4/3GHzとIntel 875Pマザーとの組み合わせで、400オーバーのスコアをたたき出すこともある。一方で、FF XIベンチなどでは、Pentium 4と同等レベルのスコアとなっている。

 これらの傾向を考えると、SSE2対応ソフトなどを頻繁に利用するユーザーにはPentium 4システムがお勧め。ゲームユーザーにすれば、ほぼ互角のパフォーマンスを持っていると評価していいだろう。

 気になる価格だが、日本AMDの発表では1000個ロット時の単価を5万8000円としている。現在Athlon XP 3000+が4万円前後、Pentium 4/3GHzの実売価格も超えている3200+の価格はかなり高く感じる。パフォーマンスを考えると、4万円台の半ばまでこなれてくれば、Athlon XPの特徴である「優れたコストパフォーマンスCPU」として十分評価できるようになるだろう。

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[寺崎基雄, ITmedia]

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