News 2003年5月13日 11:59 PM 更新

Xbox1年の成果、そして新作ゲームの中身は?

MicrosoftはE3開幕に先立ち、ロサンゼルスにてこの1年のXboxの成果、そして今年リリースが見込まれる新タイトルの発表を行った

 米国カリフォルニア州ロサンゼルスにて、世界最大のコンピュータゲーム関連のトレードショウ「E3(Electronic Entertainment Expo)」が14日から開催される。それに先立ち、Microsoftは、この1年におけるXboxの成果、および今年リリースが見込まれている新ゲームタイトルの発表を行った。

 Microsoftは昨年、Xbox向けのネットワークゲームサービス「Xbox Live」を立ち上げた。Xboxに標準装備されたEthernetによるブロードバンドインターネットが可能だが、Xbox Liveを用いることで、ネット上でユーザーコミュニティを形成し、好みのゲームによる対戦を誰もが簡単に楽しめる。

 MicrosoftによるとXbox Liveユーザーは約50万人。Microsoft上席副社長兼CXO(チーフXboxオフィサー)のRobbie Bach氏は、今年はネットワークに対応したゲームを集中的に投下すると話した。

 まず、「DOOM3」がXbox Live対応でリリースされる。Xboxゲーム担当副社長のEd Fries氏は「リアルで、エキサイティングなゲームを提供するのがわれわれの使命だ。DOOM3のようなゲームがXbox向けにリリースされる理由は、ゲームクリエイターが望むプラットフォーム環境を、われわれは構築しているからだ」と胸を張る。

 Xbox Live対応製品としてこのほかにも、Xbox初期のヒット作だった「プロジェクトゴッサムレーシング2」、ルーカスフィルムの「スターウォーズ・リパブリック・コマンドー2004」など人気のタイトルが続く。日本からはレベルファイブの「True Fantasy Live Online」、ナムコからは「BREAKDOWN」なども紹介された。Xbox Live対応のゲームは、年内には50以上のタイトルを用意するという。

 ユーザーコミュニティを支援する機能も加えられ、Live Nowという新しい機能が提供される。これはゲームをやる前にゲームをしたり、インスタントメッセージを交換するための機能だ。Live Alartと呼ばれる機能は、オンラインリーグやトーナメントからの通知、新しいダウンロードモジュールのお知らせなどを、携帯電話やポケットPC、SPOTなどに配信される。

 このほか、Web上の情報サービスと連携した対戦スポーツゲームの総合サービスとも言える「XSN Sports」に関する発表も行われている。各リーグでの成績表などを提供するサービスも行われる。Xbox向けタイトルの目玉としては、このほか「HALO2」がある。新しい「HALO」は、プレイの幅やストーリー性、あるいは途中の風景やキャラクタなどの動きのディテールが大幅にアップしている。

 バック氏は「より良いゲーム環境を得るためには、将来の新機種リリースを待つ必要はない。すでにわれわれ自身が未来を具現化するものだからだ。HALO2のような次世代のゲームを作り出す力をわれわれはすでに持っている」とアピールした。

 興味深いのは観衆の反応だ。発表会場には記者の他、パートナーなども来場していたが、さまざまなところで歓声が上がっていた。パート2タイトルが増えていることからも分かるとおり、いくつか人気の定番タイトルに固定ファンが定着してきているからだろう。

 日本では不調が目立つXboxは、米国でもプレイステーション2に大きく水をあけられている。しかしマニア層を中心に固定ファンをつかむことには成功しているようだ。

 またMicrosoftにとって、Xboxは同社のWindowsと.NETの戦略を推し進める上でも、重要な意味を持つようになるはずだ。Microsoftはネットワーク経由でPCの機能を活用可能なオーディオ、ビデオ、3Dグラフィックス機能を持つアプライアンスで利用可能な、新しいSmart Display技術を、将来のWindowsに実装しようとしている。

 この機能を利用可能なスペックを持つ端末として、もっともポピュラーなものはXboxになるのではないだろうか? このあたりの話については、関係者の話を交えながら、別記事でお伝えすることにしたい。

[本田雅一, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.