News 2003年5月14日 11:59 PM 更新

「テレビとDVDが熱い」夏のバイオは全ラインアップでビデオデッキPC化

これまでビデオデッキ機能を持たなかったバイオWやローエンドHSモデルにも、Giga Pocket Engineが搭載され、従来バイオRZ相当の機能を有するようになった

 ソニーは5月14日、バイオシリーズ2003夏モデル3シリーズ14モデルを発表した。今回発表された製品は以下のとおり。

バイオRZ   PCV-RZ72PL7
    PCV-RZ72P
    PCV-RZ62PL7
    PCV-RZ62P
    PCV-RZ52PL7
    PCV-RZ52P
バイオHS   PCV-HS92BC7
    PCV-HS72BC7
    PCV-HS72BC5
    PCV-HS22BL7
    PCV-HS22BL5
バイオW   PCV-W500
    PCV-W121
    PCV-W111

バイオRZ


 今回、発表されたシリーズは「PCV-RZ72P」「PCV-RZ62」「PCV-RZ52」の3モデル。CPUにはHyperThreading テクノロジー対応Pentium 4を搭載しているが、RZ62/RZ52のCPUクロックと全モデルの搭載チップセット、メモリクロックは現時点で明らかにされていない。3モデルともDDRのデュアルチャネルをサポートする。

 RZ72P/RZ62のビデオカードはNVIDIAのミドルレンジ最新製品GeForce FX 5600(ビデオメモリ容量128MB)を搭載(RZ52はGeForce 4 MX440)。3モデル共通でUSB 2.0を8ポート、ギガビットイーサネットをサポートしている。なお、HDDは7200rpmドライブがUltra ATAで接続される。搭載する光ディスクは、DVD±R/RWですべての記録型DVD形式に対応する。

 従来、RZ7xとRZ6xしかなかった17インチ液晶ディスプレイセットモデルは、今回からローエンドのRZ52にも用意された。また、3モデルとも本体のみモデルも用意されている。

 バイオRZはビデオデッキ機能が大きな特徴であるが、DV動画や簡易編集を行うDVgateがリニューアルし、「DVgate Plus Ver1.0」なった。ワンクリックでキャプチャ作業が行える「オートキャプチャモード」が追加され、これまでAVIファイルのみだった出力形式で、MPEG-1/2やMicroMV形式を選択できるようになった。

 また、Adobe Premiereのプラグイン「VAIO Edit Componets」はバージョンが3.0に上がり、3D効果を取り入れた特殊効果が8種類追加されている。また、MPEGエンコードソフトとして人気のある「TMPEGEnc」のバイオバージョンも同梱された。ダウンロード版と異なりAC3オーサリングに対応している。

 最上位モデルのRZ72PはCPUにHT Pentium 4/3GHzを搭載。メモリ容量1Gバイト(最大2Gバイト)、HDD容量200Gバイト。DVD±R/RWドライブのほかにDVD-ROMドライブを1基搭載する。実売予想価格が液晶ディスプレイセットのPCV-RZ72PL7で43万円前後、単体のみのPCV-RZ72Pで37万円前後となっている。

 ミドルレンジモデルのRZ62はメモリが512Mバイト(最大2Gバイト)、HDD容量が160Gバイト。実売予想価格は液晶ディスプレイセットのPCV-RZ62L7で34万円前後、単体のみのPCV-RZ62で28万円前後となっている。

 ローエンドモデルのRZ52はメモリが512Mバイト(最大2Gバイト)、HDD容量が120Gバイト。実売予想価格は液晶ディスプレイセットのPCV-RZ52L7で26万円前後、単体のみのPCV-RZ52で20万円前後となっている。出荷開始はすべて5月24日の予定。

バイオHS


 HSシリーズでも全モデルにテレビチューナー付MPEG-2ハードウェアエンコードカード「Giga Pocket Engine」と(従来はローエンドモデルで対応していなかった)、記録型DVDドライブを搭載するなど、ビデオデッキ機能を進化させている。

 最上位モデルHS92BのCPUクロック、チップセットは明らかにされていないが、搭載するメモリはPC2700/512Mバイト(最大1Gバイト)、HDD容量は160Gバイトと従来機種よりも拡張されている。記録型DVDにはDVD±R/RWドライブを搭載。ワイヤレスLANは従来どおりのIEEE 802.11aをサポートしてるが、HS92Bではホームサーバ機能が新たに追加された。

 ミドルレンジのHS72Bも搭載するCPU、チップセットは不明。メモリはPC2700/256Mバイト(最大1Gバイト)。記録型DVDは最上位モデルと同じDVD±R/RWドライブを搭載。HDD容量は120GB。ワイヤレスLANは従来のミドルレンジモデルと同様、HS72Bでもサポートされていない。

 ローエンドのHS22BはCPUがCeleron/2.2GHzとアップグレード。HDD容量はミドルレンジモデルと同じ120Gバイトとなった。一方で、チップセットはビデオコア統合型のIntel GL、メモリはPC2100/256Mバイト(最大1Gバイト)、搭載ドライブはDVD-R/RWドライブと従来のスペックを継承している。

 HS92B/HS72Bとセットになる液晶ディスプレイは、テレコミュニケーション用のCCDカメラが内蔵されたPCVD-17SM1(液晶パネル17インチ)とPCVD-15XM1(液晶パネル15インチ)が用意されている(HS92BはPCVD-17SM1のみ)。バイオHSシリーズはすべてオープン価格。実売予想価格はHS92BC7が30万円前後。HS72Bシリーズは17インチディスプレイモデルのHS72BC7が25万円前後、15インチディスプレイモデルのHS72BC5が23万円前後。

 HS22Bシリーズは上位2モデルと異なり、カメラが内蔵されていない液晶ディスプレイがセットになる。実売予想価格は17インチディスプレイモデルのHS22BL7で20万前後、15インチディスプレイモデルのHS22BL5で18万円前後となる。出荷開始はすべて5月24日の予定。

バイオW


PCV-W500


PCV-W121


PCV-W111

 3モデルともCPUにCeleron/2GHz、メモリにPC2700/256Mバイト(最大1Gバイト)を搭載。ビデオ機能はチップセットSiS651内蔵のビデオコアに依存している。

 PCV-W500はバイオWシリーズに「ビデオデッキPC」のラインアップを加えるもの。液晶パネルのサイズを17.5インチ(ワイド画面)に拡張(ただし、表示解像度は1280×768ドットと従来のまま)。通常2灯の液晶パックライトを4灯に増やし、高輝度表示を可能にしている。また、HDD容量120Gバイト、USB2.0が4ポートとW121、W111より充実している(その代わりi.LINKは1ポートのみ)。録画した映像を保存するために、バイオWでは初めてとなるDVD-RWドライブを搭載した。

 テレビチューナ付MPEG-2ハードウェアエンコードカード「Giga Pocket Engine」をバイオWシリーズでこれも初めて搭載。このカードに実装されている「NCC」(ナチュラルカラーコントロール)回路によって、テレビ視聴時とPC操作時で表示色調を変化させる。NCC回路は光の3原色(R・G・B)と色の3原色(C・M・Y)の6軸と彩度を独立して調整。調整したい色だけをコントロールすることで、テレビ視聴時にはより鮮やかな色の再現を優先し、PC操作時には原色再現性を優先させている。また、中間調領域で表示速度が遅れるために発生する残像を減少させる「FFD」(FeedForward Drive)をサポートしている。

 ビデオデッキ機能を盛り込んだW500では、従来2通りだった操作スタイルに「テレビポジション」が加えられている。これは、キーボードを折り曲げて収納することで、キーボードの裏面に用意されたテレビ操作用ボタンを使えるようにした状態。この状態になった時点でGiga Pocketが起動し、NCC回路がテレビ表示モードに切り替わる。

 PCV-W121は従来のNet MDモデルの後継モデル。こちらもHDDに保存したサウンドデータを書き出すためにDVD-RWドライブを搭載している。PCV-W111はスタンダードモデルの後継モデル。W121とW111のHDD容量はともに60Gバイト。液晶パネルサイズも15.3インチとW500と比べて一回り小さくなっている(ただし、表示解像度は1280×768ドット)

 価格は3モデルともオープン価格。実売予想価格はW500が20万円前後、W121が19万円前後、W111が17万円前後となっている。出荷開始はすべて5月24日を予定している。

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[長浜和也, ITmedia]

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