News 2003年5月21日 02:30 AM 更新

ビジネスシヨウで見つけた“コクヨのヨコク”

オフィス機器のIT化に熱心なコクヨのブースでは、アノトペン対応手帳や世界最軽量プロジェクタなど、これから発売予定の“ヨコク”製品が参考出展されている

 携帯電話関連で賑わう今年のビジネスシヨウだが、もともとは事務機器の機械化を普及・促進する展示会がルーツだけあって、事務機器メーカーも数多く出展している。中でも、近年オフィス機器のIT化に熱心なコクヨのブースは未発表の参考出展も多く、見どころ満載だ。

 同社ブースで大きなスペースを確保して紹介しているのが、5月6日に発売した「mimio Personal」。普通の紙に書いた文字やイラストを、PCにデジタルデータとしてダイレクトに記録できる。記録したデータは独自形式で編集/加工/保存が行えるほか、BMPやJPEGなど汎用画像データとしても保存可能。“紙とペン”という誰もが慣れ親しんだツールでデジタルデータが扱える注目の商品だ。


5月6日に発売した「mimio Personal」

 専用ペンから超音波と赤外線を発生し、紙に固定した受信機に伝搬する時間からペン位置を計算することで、手書き文字のデジタルデータ化を行う。この方法は、富士通研究所が昨年3月に発表した超音波型電子ペンと同じ仕組みだ。実は、mimio Personalは富士通研究所と同社が共同で開発したもの。


mimio Personalは富士通研究所の超音波型電子ペンと同じ仕組み

 「ハードは超音波型電子ペンを採用したが、ソフトウェアはmimioシリーズのアプリケーションを使っており、従来製品との互換性も高い。日本語手書き文字認識プラグインソフト(スクリプトコンバーター)で、OCR的な機能も付けた」(同社)。

 紙にペンで書いた文字や絵をワイヤレスでPCに直接入力できる――mimio Personalの仕組みは、ZDNetでもたびたび紹介してきたアノトペンと同じ発想だ。デジタルコミュニケーションツールに力を入れる同社が、このガジェットに興味を示さないはずはない。

 というわけで、やはりブースにありました、アノトペン。ただし、同社ではハードウェアを売るわけではなく、アノトペン特有の特殊パターンを印刷した専用紙(アノトペーパー)を今夏から発売する予定という。


アノトペンとアノトペーパーで作られた入庫/出庫管理表

 アノトペーパーは、読み取って活用するソフトウェアがないと役に立たない。同社では専用紙とソフトウェアをセットにしたスタイルで、販売を行っていくという。ブースでは、入庫/出庫管理表といった手書きの伝票がデータベースとして取り込める一般的な使い方のほか、アノトペーパーで手帳を作るというユニークな提案も行われていた。


アノトペーパーの手帳

 「手帳のスケジュール欄に書き込むとPCのスケジューラと連動したり、アドレス欄の手書き住所がPCの住所録ソフトに反映される。手帳の最後に用意されているユーザーアンケート欄が、自動的に収集されるようなシステム作りも可能。地下鉄の路線図をペンで押さえると、料金がわかるようなシステムも考えている」(同社)。


地下鉄の路線図をアノトペンで押さえると、駅間の料金が分かるシステムも可能

 プロジェクタコーナーでも、これから発売予定という“ヨコク”製品が参考出展された。重さ1キロという世界最軽量のプロジェクタといえば、プラスビジョンの小型データプロジェクタ「V-1100」が有名だが、同社の新製品はV-1100よりも100グラム軽い約900グラムを実現。「現時点で世界最軽量となる」(同社)。


世界最軽量0.9キロのモバイルプロジェクタ

 明るさは1100ANSIルーメン、コントラストは1500対1、解像度はリアルXGAに対応するなど、モバイルプロジェクタとしての基本性能は押さえた作りになっている。「サイズが197(幅)×70(高)×155(奥行)ミリと、V-1100(180×45×141ミリ)よりも一回り大きくなっているが、これは静音性を重視したため。それでもA5サイズ以下には収まっている」(同社)。


実はこの“世界最軽量プロジェクタ”は、台湾のプロジェクタメーカ「Optoma Corporation」のOEM製品。このほか、重さ1.7キロで1500ANSIルーメンの高輝度タイプ(左)も発売される予定。両機種とも価格は未定だが、40万円台になる予定

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[西坂真人, ITmedia]

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