News:ニュース速報 2003年5月22日 04:21 PM 更新

DNP、フォトリソ法によるフルカラー有機EL製造に成功

フォトリソグラフィによるフルカラー有機ELパネルの製造にDNPが成功

 大日本印刷(DNP)は5月22日、フォトリソグラフィ法(フォトリソ)を使用したフルカラー有機ELパネルの製造に世界で初めて成功したと発表した。

 フォトリソ法は、半導体製造プロセスで一般に使用されている技術の1つ。写真のネガを印画紙に焼き付ける方法を応用したもので、感光材料を塗ったシリコンウエハに回路パターンを焼き付けることで微細回路を形成する。

 カラー有機ELパネルの製造では、低分子材料を使った真空蒸着法と、高分子材料をインクジェット法や印刷法で塗り分ける方法が採用されている。だが真空蒸着法ではガラスパネルの大型化が難しく、インクジェット方式は大面積での均一性などに問題があった。また両方式とも解像度の限界が150ppi程度なのも課題となっていた。

 このため、TFT液晶パネル製造でも使用されているフォトリソ法が有望視されてきたが、有機EL材料に感光性を持たせることによる特性劣化などから実現は難しいとされてきた。

 DNPは詳細を明らかにしていないが、特別な材料を用いずにフォトリソ法でフルカラー化する方法を開発したという。塗布可能な材料は自由に選択でき、プロセス中の特性劣化もほとんど発生させずに大画面かつ高精細なパネルの製造が可能だとしている。

 DNPは新技術を活用し、ディスプレイ関連事業を部材ビジネスからパネル製造にも拡大する計画。2006年度に1メートル角/200ppi以上の高精細フルカラー有機ELパネルの量産化を目指し、2010年には年間1000億円以上の売上げを見込んでいる。

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