News | 2003年6月11日 12:32 PM 更新 |
ソニーの会長兼CEOである出井伸之氏の発言が発端となり、ヨーロッパでさまざまな憶測が生まれている。同氏はスペインの新聞、El Pais Sunday紙とのインタビューで、ソニーがヨーロッパの通信分野におけるアライアンスパートナーを探していると話した。
出井氏は提携先候補としてVodafone Group、T-Mobile International、NTT DoCoMoを挙げたと、インタビューに同席したベルリンのSony Europe広報担当者、アルド・リグオリ氏は述べた。
しかし、この提携がすぐさま成立する可能性については、リグオリ氏は否定する。
「出井氏の発言を、ソニーがヨーロッパのモバイル関連企業とのアライアンスを形成しようという宣言だと解釈しているメディアもあるが、そうではない」とリグオリ氏。
リグオリ氏によれば、同社は新規市場、既存市場においてソニーグループを拡大していくために、「すべての可能性を」探っているところだという。
インタビューの中で出井氏は、ソニーは自社の事業を拡大するために1社以上との戦略提携を結ぶことを切望していると話しているが、その分野や時期については明らかにしていないとリグオリ氏は強調した。
「出井氏は、2種類のアライアンスがあると話した。ソフトなものとハードなものだ」とリグオリ氏。
ソフトなアライアンスは、ソニーと提携先が株式保有を必要とせず、リソースをプールするというもので、IBMと東芝との提携がそれに当たる、とリグオリ氏は説明する。ハードなアライアンスは合弁会社のことを指し、ソニーとTelefonaktiebolaget LM Ericssonが携帯電話製造を共同で行うための会社、Sony Ericsson Mobile Communicationsが該当する。
出井氏はコンピュータと携帯電話は引き続き伸びていくと予想している、とリグオリ氏は述べている。
[John Blau, IDG News Service]