News | 2003年6月16日 10:13 PM 更新 |
半導体設計会社のARMは6月16日、ARMアーキテクチャー用の新しい命令セットを発表した。新命令セットを利用することで、モバイルデバイスはバッテリー持続時間の向上、パフォーマンスアップ、メモリコストの低減などを期待できる。
同社のThumb-2コアテクノロジーは16ビットと32ビットのチップ命令をブレンドしたもので、ARMによれば、組み込みアプリ向けのコード密度と、メモリ効率の向上の双方を提供できるという。
コード密度を上げることにより、Thumb-2を使うARMパートナーは携帯電話、PDAや他の組み込みシステムなどで、より機能性に優れたアプリケーションを開発し、サポートすることができるとARMでは説明している。
Thumb-2テクノロジーを使用すると、32ビットコードと比較してメモリ使用率が26%減り、16ビットコードだけを利用した場合よりも25%性能が向上する。このため、デバイス設計者はクロックスピードを下げることが可能になり、消費電力を抑えることにつながると、ARMは述べている。
ARMは自分自身ではチップ製造を行っておらず、自社で設計したチップアーキテクチャーをIBM、Motorola、Intelなどのサードパーティーメーカーにライセンスしている。ARM設計によるチップは携帯電話やPDAで広く使われている。
この新技術はARMのThumb-2コード圧縮技術をもとにしており、既存のソフトウェア投資、開発成果を保護するものだとARMでは述べている。
同技術はカリフォルニア州サンノゼで開催されているEmbedded Processor Forumで発表され、現在開発中の、将来のARMコアのコンポーネントになる予定だと同社では説明している。
[Scarlet Pruitt, IDG News Service]