News | 2003年6月16日 06:09 PM 更新 |
シャープは6月16日、J-フォン向け電子書籍配信サービス「ケータイ電子書店 SpaceTownブックス」を6月18日から開始すると発表した。
このサービスは、携帯電話向けコンテンツ配信会社であるサイバードとの協業で行われるもの。サービス開始時はJ-フォン J-スカイパケット対応携帯電話で利用でき、7月中旬からすべてのJ-フォン Javaアプリ対応携帯電話に対応する予定になっている。
シャープでは、これまでサウルスを対象にした電子書籍配布事業「eBook」を1999年から展開してきた。現在eBookユーザーは5万を数えているが、そのユーザーにとくに人気があるのが、新作をいち早く、かつ、短時間で楽しめる書き下ろしのエッセイや短編。
電子書籍を、配信サービスのキラーコンテンツと考えているシャープは、表示解像度がQVGAになった携帯電話を使って、このような軽い読み物が「ケータイで読まれる文化」を創出するとしている。
SpaceTownブックスで配信されるJ-フォン向けコンテンツは7ジャンルに分かれている。各ジャンルの月額料金は210円(「清水清太郎の夢写真」のみ315円、また、音楽や映画情報を提供する「無料コンテンツ」もある)。
オリジナル短編が収録されている「書き下ろしオリジナル」では、幻冬舎から提供される桜井亜美、辺見えみり、松村潔のオリジナルエッセイを購読できる。
また、短編小説を単行本に収録される前に購読できる「本ヨリ早ク! 短編小説」では、現在執筆が行われている「池袋ウエストゲートパーク 東口ラーメンライン」などで、執筆とeBook購読のリアルタイム展開を計画している。
サービス開始時に用意されているコンテンツは、9企業18コンテンツ。このうち書き下ろしオリジナルは6作品。これ以外にもコンテンツが追加される予定になっているが、その時期は現在のところ未定になっている。
シャープが現在展開しているeBook事業では、コンテンツのフォーマットとして「XMDF」を採用し、これを標準フォーマットとして採用するように業界へ働きかけている。しかし、J-フォン向け電子書籍配信サービスでは、データフォーマットとして、携帯電話での使い勝手を考慮した「コンパクトXMDF」が使われる。
コンパクトXMDFはXMDFと互換性はなく、閲覧用にJ-フォン専用のJavaアプリ「ブンコビューア」を利用する。すでに昨年の5月にPDA向けのブンコビューアが登場しているが、J-フォン向けブンコビューアは「基本機能は同じだが、データサイズとレイアウト機能は思い切って割り切った」(谷口氏)。
シャープは、J-フォン向け電子書籍配信サービスのユーザー数として、短期的には3万ユーザーを目標にしている。ただし、昨年のデジタルコンテンツ産業研究会で、「FOMAなどの携帯電話」が対象になると述べているが、iモードやau端末への対応時期については、「検討中」とのみ回答した。
また、電子書籍配信サービスで話題になる専用ビューアについては、「シャープは汎用機を電子書籍のビューアにする路線を継続する」と述べ、eBookサービス用の専用端末の可能性を否定している。
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[長浜和也, ITmedia]
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