News 2003年6月24日 06:38 PM 更新

オランダのTulipによるDell提訴、ついに法廷へ

Dellが“チューリップ”というキュートな名前を持つオランダの会社から訴えられている。提訴から3年。PCマザーボードに関する特許をめぐる陪審裁判がついに開始された。

 Dell Computerの弁護士は6月23日、連邦地裁に出廷する。Dellはオランダの会社、Tulip Computers Internationalが所有する技術特許を侵害したPCを販売したとして訴えられているのだ。

 Tulipはオランダのアメルスフォートに本社を置く会社で、2000年11月にDellを提訴した。Tulipの訴えによれば、Dellは1997年以降、同社のデスクトップPCであるOptiplexに、Tulipが特許を所有するマザーボードデザインを複製使用しているという。訴状はデラウェア州連邦地方裁判所に提出されていた。

 Tulipの主張によれば、提訴までの3年間でDellが得た170億ドルの売り上げ分が特許侵害に当たるという。TulipはDellに対して要求するロイヤリティと被害の金額を明らかにしていないが、この種の特許のライセンス料金は、通常売上高の1%から5%だと述べている。

 Dellは不正行為を否定しており、問題となっている米国特許No. 5,594,621は無効で強制力を持たないと主張している。しかし、論争を法廷に持ち込ませないようにするという同社の努力は不首尾に終わっている。

 Tulipは本件の詳細の公表を避けているが、同社広報によれば、陪審裁判は6月23日に始まることになっている。2月の時点でTulipは、裁判は9日間にわたって行われると述べていた。

 Tulipの特許は、16ビットと32ビット周辺機器の両方に対応するPCマザーボードに関するもので、業界が2つの標準の移行時期に役立ったという。マザーボード上の拡張カードスロットは冷却を改善するように設計されており、PCメーカーはこれにより小さいデスクトップコンピュータを開発できたと、訴状には記載されている。

 当初、本件の裁判官として任命されていたのはロデリック・R・マケルビー氏だったが、同氏が昨年6月に辞任しており、現在ではケント・A・ジョーダン氏が任命されている。

[James Niccolai, IDG News Service]