News 2003年6月24日 04:26 PM 更新

DNS生誕から20年

ウェブサーファーが正しいページにたどり着けるのも、電子メールを受け取ることができるのも、みんなこのデータベースのおかげ。そのデータベースシステムが6月23日、生誕20周年を迎えた。

 DNS(Domain Name System)のテストが初めて成功したのが1983年。カリフォルニア州マリナ=デル=レイにあるUniversity of Southern California School of EngineeringのInformation Sciences Institute (ISI) でこの実験が行われた――システムの考案者である研究者、ポール・モッカペトリス氏はそう回想する。ISIのコンピュータ科学者であったジョン・ポステル氏が、モッカペトリス氏にインターネット用の新しいディレクトリを開発するように指示した。その当時、インターネットはまだよちよち歩きのネットワークで、約200台という規模だった。

 DNS以前は、インターネット上のすべてのコンピュータのアドレスはホストネームとアドレスの中央カタログでメンテナンスされていた。モッカペトリス氏は、インターネットに接続されているコンピュータの管理者がドメインを所有し、管理しているコンピュータに割り当てるというシステムを考案した。

 「あなたの組織をネットワークに接続すれば、自分が管理しているコンピュータのうち好きなだけ、自由に名前をつけることができる」とモッカペトリス氏。

 さらにこのシステムは高度なものになり、“.com”や“.edu”、“.gov”をはじめとするトップレベル・ドメインは今でもメールやウェブで使われている。

 モッカペトリス氏はIPアドレスソフトのベンダーであるNominumのチーフサイエンティスト兼会長であり、University of Southern California School of EngineeringのJon Postel Center for Experimental Networkingの客員研究者である。同センターは、モッカペトリス氏の上司であったジョン・ポステル氏の名を冠している。ポステル氏は1998年に亡くなっている。

[Stephen Lawson, IDG News Service]