News 2003年6月26日 04:33 PM 更新

P4マザーボードを製造中止し、Mini-ITXに賭けるVIA

Intelとの訴訟合戦を和解に持ち込んだVIAは、自社のマザーボード戦略を転換した。Pentium 4マザーボード開発を中止し、自社CPUを使った小型マザーボードにフォーカスする。

 VIA Technologiesは自社のマザーボード製造戦略を転換し、Pentium 4マザーボードの販売を中止したことを公式に認めた。

 VIAのマーケティング担当副社長、リチャード・ブラウン氏は「われわれは確かにP4マザーボードの製造を中止した」とメールで回答した。「われわれの顧客はすでに弊社のP4チップセットを使っており、それ以上の付加価値を自分たちで提供する必要性を感じなくなったからだ」と同氏は説明する。

 マザーボードはPCの基本コンポーネントで、コンピュータの動作に必要なさまざまな部品、たとえばプロセッサ、チップセット、グラフィックスカードなどを追加するためのアドインカード用スロットを搭載するためのもの。VIAが自社ブランドでマザーボードの販売を始めたのは2001年10月から。自社製のPentiumチップセットであるP4X266の販売をプロモートするためにスタートした。

 同社は自社のPentium 4マザーボード販売をVIA Platforms Systems Division (VPSD) 経由で行うことにした。VIAがIntelとの間で、IntelのフラッグシップとなるデスクトップPCプロセッサのフロントサイドバス(FSB)に関する特許で争った結果である。この係争では5カ国で11件の訴訟が行われ、主要なマザーボードメーカーは、Intelとの係争に巻き込まれるのを恐れてVIAのチップセットを使わなくなってしまった。

 この訴訟は4月、IntelとVIAが和解の一部として10年間にわたるクロスライセンス契約を結んだことで終結した。VIAは特定の製品について、Intelにロイヤリティを支払うという条件がつけられた。

 Intelによる訴訟があったため、VIAではVPSDグループのフォーカスを小型マザーボードフォームファクター、2002年4月に同社が最初に投入したEPIA Mini-ITXに移しつつある。EPIA Mini-ITXはVIAのC3またはEdenマイクロプロセッサを搭載するように設計されており、170×170ミリの大きさで、セットトップボックスや家庭内エンターテインメント用PCといった小型コンピュータデバイス向けの製品である。

 VIAはMini-ITXだけでなく、ATX(305×244ミリ)、MicroATX(244×244ミリ)といった他のフォームファクターのマザーボードも販売している。これらのマザーボードはほとんどがPentium 4向けに設計されており、製造中止となっている。

 「VPSDはこれからEPIA Mini-ITXビジネスをさらに推し進めていくことにフォーカスする」とブラウン氏。「このプラットフォームは市場を牽引しており、この分野の将来はすばらしい可能性を秘めているとみている」と同氏は述べた。

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[Sumner Lemon, IDG News Service]