News:ニュース速報 2003年7月1日 11:06 AM 更新

注目の電子メール訴訟でIntel敗訴

カリフォルニア最高裁は、「コンピュータシステムへの未承認の電子的接触を、私財の不法侵害と分析した下級審の判断を見直した」結果、ハミディ氏の電子メール発信は、「訴追可能な私財侵害には当たらない」と判断した。

 「就労中の社員に大量の迷惑メールを送りつけた」として、米Intelが同社の元従業員を訴えていた裁判で(4月2日の記事参照)、カリフォルニア最高裁は6月30日、元従業員の行為は不法侵害には当たらないとしてIntelの主張を退けた。

 Intelは、同社に解雇された元従業員のケン・ハミディ氏が同社の現従業員に会社批判の電子メールを大量に送りつけたことを、同社の私的財産であるインターネット電子メールシステムの不法侵害に当たると主張していた。一審と二審では、Intelに好意的な判決が下されている。

 だがカリフォルニア最高裁は、「コンピュータシステムへの未承認の電子的接触を、私財の不法侵害と分析した下級審の判断を見直した」結果、ハミディ氏の電子メール発信は、「訴追可能な私財侵害には当たらない」と判断した。その理由として同裁判所はハミディ氏が「所有主による私財の利用を妨げたわけではない」ことを挙げている。

 同裁判所は、「カリフォルニアの法律では、受信者側のコンピュータシステムに損害もしくは機能障害を与えていない電子通信を不法侵害とは認めていない」としている。

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▼ カリフォルニア最高裁の判決(PDF)

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