News 2003年7月4日 02:53 PM 更新

299ドルの「格安USBエレドラ」たたいてみました

買いたいけれど住宅事情がそれを許してくれないのが「ドラムセット」。それを解決してくれるのが電子ドラム「エレドラ」なのだが、これは高い。米国で登場した299ドルという手ごろなエレドラの試用レポート。

 子供の音楽教育には良い面と悪い面がある。特に、楽器を習い始めたころは……。Pacific Digitalは初心者ドラマーがまき散らす騒音の問題や、ドラムセットを置く場所を確保できないという問題を解決する方法を考えついた。

 ベーシックモデルのDrumXtreme USB Digital Drum Kit(DX-100)の販売価格は299ドルだ。このキットには木製のドラムスティックが2本、エレクトロニック・ドラム・パッド×5、キックドラム用ペダル×1が含まれている。組み立てた状態では機動性が高く、従来のアコースティック・ドラムセットよりも場所を占有しない。PCとはUSBポートで接続する。サウンドはPCのスピーカーかヘッドセットから流れる。音量はささやく程度から、あなたのPCが出せる最大ボリュームまで可能だ。

さっそく試してみると

 Pacific DigitalはDrumXtremeのためにエレクトロニック・パッドを採用している。パッドは通常、かなり高価で、センシティビティがなかったり、本物のドラムのような音がしない、といった欠点があった。

 DrumXtreme USB Digital Drum Setではこうした問題に対処し、ソフトウェアにはチュートリアル機能もある。DX-50アップグレードキットを49ドルで追加すれば、ツーバス用のペダルにも、ハイハットペダルにも使うことができる。シンバルパッドも追加できる。セットを拡張したDX-150の価格は329ドルである。

 このセットにはオーディオCDが付属しており、初心者が合わせて演奏できる練習曲が入っている。練習曲と自分の演奏をミックスしたり、パッドをたたいてトリガーされるサウンドを変更することも可能だ。

 アジアっぽいドラムセットはきっと気に入るだろう。セットの中にはリバーブが組み込まれているものもあり、「空間」を感じさせてくれる。巨大なシンフォニーホールでドラムをたたいているような気にさせてくれるサウンドセットもある。CDには拍手も組み込まれており、初心者はこれで気を良くして練習に取り組むことができるだろう。楽しみながら練習をしたい初心者ドラマーにとって、こうしたエフェクトが含まれたパッケージは魅力的に感じられるだろう。

注文をいくつか

 オーディオ出力をヘッドフォンにつなげる機能は家庭用としては魅力的な機能だ(私がやる気のある若者だったときにこの機能があったら、両親は大喜びしていただろう)。DrumXtreme USB Digital Drum Setの価格は使えるレベルのアコースティックセット(350ドルくらいだ)よりも安い。DrumXtremeは中級プレイヤーの練習用にも適している。

 では、マイナス面について。DrumXtremeのパッドはデジタルパッドのいくつかの製品と同様、中級プレイヤーが望むようなダイナミックな感度を持っておらず、MIDI機能もない。しかし、このパッドはプロオーディオを求めるマニア向けのものではない。しかし、Pacific Digitalによれば、他の音楽ソフトにMIDI出力するためのソフトウェアアップデートを第3四半期に予定しているという。

 一つ警告を。このレビューで使ったセットは組み立て済みの状態で届いたが、通常購入の場合には、そうではない。Pacific Digitalでは組み立ては大して難しくないと話している。

 「ドラムパッド5個に対してナットとボルトがそれぞれ5個ずつ。パッドをフレームに取り付けるためのロッドが5本。フレームを接続するためのクランプ用のナット、ボルトもある」とPacific Digitalの広報担当者、ロバート・ホートン氏は説明する。

 「添付したドライバーを使った場合、組み立てには約35分かかる。しかし、コードレスの電動ドライバーを使えば20分ほどで済む」と同氏。もちろん結果はあなたの機械いじりの才能に依存する。

[Jesse Cordoza, IDG News Service]