News | 2003年7月18日 00:14 AM 更新 |
UX50は3D描画にも対応している。サポートする3DグラフィックAPIはOpenGLをベースにソニーが拡張したもの。ただし、ハードウェアとして用意されているのはHandheld Engineに内蔵された2Dグラフィックエンジンのみ。3D描画は2Dエンジン+ソフトウェア処理で行うようになっている。
出荷時に用意されている3D描画を使ったソフトは、メニューソフト「CLIE 3D Launcher」だけ。ソニーによると、SDKの公開にもう少し時間がかかるため、3D機能を駆使したアプリケーションの登場はまだ先のことになりそうだ。UX50の想定ユーザーが「30〜40歳のビジネスマン」ということで、3Dゲームの開発も現在のところ予定にない。
ちなみに、液晶の解像度は480×320ドットの横長ハーフVGA表示だが、なんと縦表示ができない。既存のソフトとの互換性が気になるが、「今のところ特に互換性に問題はないと考えている」(吉田氏)。画面が横長になったため、Graffitiの表示位置が右側と左側に切り替えられるようになっている。
VGAでなくハーフVGAを採用した理由は「VGA対応ソフトを新たに開発するよりも、現在流通しているハーフVGA対応ソフトを使えるようにしたため」(吉田氏)。解像度が低いことで、Webブラウズに不安を感じるユーザーが多いかもしれないが「NetFrontでズーム表示をすればとくに問題はない」(吉田氏)。
CLIEが登場してまもなく3年になるが、現在、国内のPalm端末シェアでトップ。米国市場でも2位にを占めるなど、PalmOS端末トップブランドの地位を確保するまでになった。
そのCLIEも、最近は横ばい、もしくは微減傾向にある。その原因は「電子手帳の発展系である旧来型OrganizerベースPDAはすでに頭打ち状態状態。これからはネットワーク機能を実装した“PDA コミュニケータ”によって市場を拡大していかなければならない」(木村敬治氏 ソニー業務執行役員常務)
この「PDAコミュニケータ」のコンセプトを反映したUX50の選択したネットワークインフラが、無線LAN IEEE 802.11b。これまで筐体に搭載してきたUSBやBluetoothに加えて、IEEE 802.11bモジュールを内蔵し、本体だけで無線LANにアクセスできるようにしている。
その一方で、デザインを重視するために切り捨てられたのがCFスロットだ。 CFスロットがなくとも、UX50はUSBもBluetoothも実装している。しかし、USBでサポートされているのは「PCとの接続利用」のみ。USB接続のPHSユニットは使えないことになっている。Bluetoothに至ってはPHSカードもなければ、国内で販売されている対応携帯電話端末もほとんどない。
というわけで、メールやWebにアクセスしたいとき、UX50は必ずホットスポットで使わなければならなくなる。
この制約をユーザーがどのように判断するか。AV機能とPDA機能を使うなら(そして7万円という価格も気にしないなら)、小さくて動画のパフォーマンスもそれほど気にならないUX50は、魅力的なツールになるだろう。しかし、今までCLIEとPHSを組み合わせて、どこでも自由にメールを送受信し、インターネットサービスを利用してきたユーザーにとって、ホットスポットでしか使えないUX50はどのように見えるのだろうか。
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