News:アンカーデスク 2003年8月1日 08:16 PM 更新

ウェブログを進化させるRSSとは?

サイトの要約を配布するためのXMLフォーマット「RSS」がウェブログの周辺で話題になっている。現在は利用者のニュース収集ツールとしての利用が中心だが、今後は商用サイトを含めた記事配給者側の“配布統一フォーマット”として導入が進むことも予想されている。

 「RSS」という言葉を聞いたことがあるだろうか。サイトの要約を配布するためのXMLフォーマットのことで、Netscapeが自社ポータルで記事の見出しを配信するために開発、1999年3月に公開したものだ。“RDF Site Summery”の略とも“Rich Site Summary”の略とも言われるそのフォーマットが、今ウェブログの周辺で話題になっている。

 ウェブログの閲覧者は、ニュースサイトやウェブログサイトが提供しているRSSフォーマットで書かれたファイル(仮にRSSファイルと呼ぼう)を、専用ソフト(RSS Reader)で巡回して取り込む。これだけで、沢山のニュース記事の見出しや要約が、あなたのデスクトップに集まることになる。ブラウザを立ち上げてたくさんのニュースサイトを回るのがどうにも面倒だった人には朗報だろう。


RSSフォーマットのファイルを巡回して読み込む

 日本製のRSS ReaderにはWindows用シェアウェア「NewsGlue」があるから、まずは試しに使ってみよう。海外製のReaderソフトもそうだが、利用するには「Microsoft .NET Framework」のインストールが必要なので、先にインストールしておく。「NewsGlue」は、はじめから多数のニュースサイトが登録されているので、購読するサイトを選択するだけで最新のニュース記事の見出しがウィンドウにズラリと並ぶ。

 一番初めに起動した場合は[ツール]から[すべて更新]を選んで、RSSファイルを登録するのを忘れないようにしよう。新たに追加したいサイトがあれば、そのサイトのRSSファイルのURLを登録するだけでいい。未読記事のみを表示したり、一日以内、または一週間以内の記事のみを表示するなども、クリック一つで行える。単純だが非常に便利だ(Macユーザーには「NetNewsWire」を勧めておこう)。


NewsGlueでの購読例

 しかし、日本ではRSSファイルを配布する側も利用する側も数が少ないというのが現状だ。

 筆者は海外サイトのRSSファイルを読み込んで、好みの話題を探すのに利用しているが、日本ではRSSファイルを提供しているサイト自体がまれである。

 これは、RSSなどの技術の取り入れに積極的である「Movable Type」のような海外製ウェブログツールの利用者が、Web日記ツールと比べて少なめであることが原因の一つだろう。そもそも日本では、「ウェブログ」という言葉に違和感を覚える人が多く、またそれを個人サイトで導入する必要性が見えにくいこともある。

 筆者にも、これといってRSSの利用を勧める義理はないのだが、ただ「ウェブログは革命だ」などの能書きはさておいても、とりあえず「RSS」は便利なものだ。もっと積極的に導入してくれるとうれしいのだが、どうだろうか。利用者の誰もがページを作成・編集できる多目的ツール「Wiki」では、RSSの配布が当たり前になっているが、いまだ有効活用されているとは言いがたい。

 「RSSを導入したいが難しそうだ」と思っている開発者の方々は、とりあえず手で書いてみていたきたい。XMLだから難しいのではと考えてしまうのかもしれないが、ヘッダはほかのRSSファイルを参考にすればいいし、使う要素はあらかじめ決まっているので、HTMLと同じ程度に簡単なものである。HTML文書を本を見ながら書ける技術があれば十分RSSの導入は可能だろう。

 RSSファイルのメインに使う要素はitem、title、link、descriptionの四つしかない。それでも難しすぎるというのであれば、海外サイト「webdevtips」へ行こう。このサイトのrss headline generatorで、必要事項を記入してボタンを押せば、RSSの文法を知らなくても自動で作成される。いろいろ研究してみるといいだろう。

 このようにRSSは手軽な「Aggregation(集約)」として利用者側から注目されてきたが、これからは「Syndication(記事の配給)」と呼ばれる方面で、コンテンツ提供側を中心に利用が進むと考えられている。

 つまり、単なるサイトの要約の枠を越え、メールやその他のニュース記事配信の統一フォーマットとして、RSSが利用されるということだ。現在のところ非公式に商用ニュースサイトのRSSファイルを公開している個人サイトが多いが、そのうち公式に配給されていくだろう。今はまだ紙の常識からウェブの常識へと移るタイミングを見計らっている過渡期にあり、彼ら個人はそのすき間を埋める存在にすぎない。


RSSにおける記事の配信

 また最近では、RSSの最新バージョン「2.0」の文法の複雑さなどから、新しい統一フォーマット「Atom」(最近までEchoと呼ばれていた)を作ろうとする動きがある。これはまだ仕様が定まっておらず、いつになればRecommendation(勧告)になるか分からないが、ウェブログの新たな統一フォーマットとなる可能性もあり、その動向に注目しておきたい。最新状況は「Formerly Echo」などのサイトで確認できる。

 「RSS」をはじめとして、「SOAP」「XML-RPC」など、本来なら企業側のWebサービスの文脈で語られるべき分野が、個人の手によるウェブログで広まり日常化していく様子は、見ていてそう快ですらある。

関連リンク
▼ NewsGlueの開発元 グルーソフトウェア(株)
▼ wevdevtips
▼ Atomの開発中心地
▼ Formerly Echo
▼ NetNewsWire
▼ ベクターのNewsGlueの紹介記事

[神宮寺沙耶, ITmedia]

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