News:アンカーデスク 2003年9月4日 06:55 AM 更新

iPodへの挑戦者――東芝gigabeatとiHP100が示すもの(1/3)

ハードディスク音楽プレーヤーではAppleのiPodが圧倒的なシェアを持つが、東芝のgigabeat G20やiRiverのiHP100といった、魅力的な挑戦者も現われ始めている。この2製品をよく見ていたら、日韓のAV家電ベンダーの踏み込みの深さや、基本哲学の違いが浮き彫りになってきた。
顔

 先週、ハードディスク音楽プレーヤーなるものを2機種評価してみた。「いまさら?」と思うかもしれない。この分野ではiPodが圧倒的な強さを見せ、特にUSB 2.0に対応した現行モデルが発売されて以降は、大量の音楽を持ち歩くデバイスとして不動の地位を確保している。デザインも秀逸で、ライバル製品を検討する余地などないと言う読者もいるだろう。

 しかしひねくれ者の筆者は、どうもiPodに食指が動かない。Macで利用する場合と比較して、Windows版は少しだけ不便なことが気にくわないというのもあるが、もっと違うモノを探してみたいという好奇心の方が勝っていると言った方がいいかもしれない。

 さて、iPod以外の有力なハードディスク音楽プレーヤーのうち、日本で入手しやすい機種は三つある。一つはクリエイティブメディアの「NOMAD Jukebox Zen」シリーズ、もう一つはiRiverの「iHP-100」、それに東芝が発売した新型gigabeatだ。今回はこのうちiHP-100と新型gigabeatを試用してみたが、両製品の味付けは見事なまでに“お国柄”を反映させたものだった。

サイズも機能も小さくまとめたgigabeat G20

 まず東芝のgigabeat G20から触れることにしよう。筆者が急にこの手のプレーヤーに、急に興味を持ち始めたのは、東芝が“G20コンセプト”と題してティザー広告(じらし広告)を始めたのがきっかけ。


gigabeat G20

 初代gigabeatは、東芝のPCカード型5Gバイトハードディスクを用いた音楽プレーヤーだったが、音楽プレーヤーとしては少々サイズや重さに難があり、曲間切り替えがテンポ良くできないなどの問題を抱えていた。が、比較的大型の液晶ディスプレイを利用したアプレット開発が可能など、なかなかテクノロジー好きの心をくすぐる部分もあった。

 ところが東芝は、gigabeat向けアプレットの開発サイトを急に閉鎖してしまった。理由は定かではないが、時期的にgigabeat G20のティザー広告とも重なったため、もしやこれは新型gigabeatに向けて面白いことをやろうとしているのかな?という期待感を感じたのである。

 そんな訳で、gigabeat G20がどんな製品なのかも知らないうちに、試用の申し込みをした(後から話を聞いてみたところ、東芝広報側は新型機の概要を、筆者がすでに知っているものと勘違いしていたようだ)。

 さてその後、わが家に届いた製品試作機は、すでにご存じのように厚さ12.7ミリ、容積87cc、軽さ138グラムという、20Gバイトハードディスク搭載の世界最小・最軽量のMP3、WMA、WAVプレーヤーだった。

 軽量化と小型化の代償としてバッテリサイズが削られているが、それでも11時間の駆動時間は確保しているという。USB 2.0に対応し、USBハードディスクとしても利用することができる。音楽データは専用ソフトで暗号化しながら転送する(Windows Media Player用プラグインで転送することも可能)が、そのオーバーヘッドもほとんど感じることはなく高速に転送が可能だ。

 無骨で、失礼ながらAV機器ベンダーとは思えない荒削りな操作性を持っていた先代モデルとは異なり、MDプレーヤーらしいフォルムに身を包み、操作ボタン類も洗練されている。再生、一時停止と曲送り機能を兼ねたジョグシャトルは、押し込み操作がやりにくいなど、まだ多少の不満はあるものの、曲切り替えで待たされるといった不具合もなく、また音楽ファイルの情報タグにも対応しており、音楽プレーヤーとしての完成度は間違いなく向上した。

 先代モデルの音質について評価したことがないため比較はできないが、新しいgigabeatはS/N比が良く、スッキリとした音の出方は、情報量の面では物足りないものの、携帯型音楽プレーヤーとしてはうまくまとまっている。特別に音がイイと感じるわけではないが、かといって特性面での欠点はない。実に日本製オーディオ機器らしい音である。使い方によっては、液晶ディスプレイのないリモコンに不満を持つかもしれないが、その代わりケーブルは細く、リモコンもコンパクトなため取り回しがいい。

 ただし、初代機にあったような、アプレット開発の可能性はなさそうだ。東芝によると、gigabeat G20においても、PIM機能を追加可能にしたり、テキストファイルビューアをインストールするなどの拡張性を持たせようという話は出ていたようだが、今回の製品は音楽プレーヤー機能にフォーカスするという方針になったようだ。コメントは取れていないが、初代機のアプレット開発サイトが閉鎖されたのも、そうした方針転換があったからなのかもしれない。

[本田雅一, ITmedia]

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