News 2003年9月19日 02:07 PM 更新

VeriSignのSite Finder問題、ついに訴訟へ

存在しない.comまたは.netドメインを検索すると、VeriSignが運営するSite Finderに強制リダイレクトされる問題が、ついに訴訟に発展した。

 インターネット検索会社がVeriSignを訴えた。VeriSignは存在しないWebアドレスのURLをブラウザに入力したときに、そのユーザーをVeriSignの検索ページにリダイレクトする仕組みを作り、これが大きな批判を受けている

 検索サイトのNetster.comを運営しているPopular Enterprisesは、VeriSignのSite Finderに対する差し止め命令を求めるとともに、1億ドルの被害請求を主張していると9月18日、発表した。

 VeriSignは.comおよび.netドメインネームのメインデータベースを管理している。同社は9月15日、このデータベースに「ワイルドカード」を追加し、存在しない.comまたは.netアドレスが入力された場合、VeriSignの新しい検索サービスであるSite Finderが表示されるようにした。

 Popular Enterprisesの主張によれば、VeriSignは独占禁止法への違反、不当競争、そして不公正取引慣習防止法に違反しているという。本件はフロリダ州中央地区の連邦地方裁判所に提訴された。

 Netsterは検索Webサイトの運営だけではなく、存在しないドメインを検索してしまったユーザーの助けとなるSmartBrowseという検索ツールバー製品を提供している。Popular Enterprisesによれば、VeriSignがこのトラフィックを「乗っ取った」という。

 「彼らは全宇宙の非登録ドメインを自らの利益プールとして利用し、自社の立場を利用し、何の努力もせずに利益をすくい上げようとしている」とPopular Enterprises側法律事務所、Scarborough and Rughのクリス・ヒル弁護士は主張する。

 VeriSignのSite Finderは非常に大きな批判を浴び、一部のスパムフィルターの誤動作を誘発した。Internet Software Consortium (ISC) はネットワーク管理者からの非難を受け、BIND (Berkely Internet Name Domain) DNS (Domain Name System) ソフトウェアをアップデートし、Site Finderをブロックできるように変更した。

 Popular EnterprisesはVeriSignへの提訴を19日に行うと、ヒル氏は明らかにした。

 VeriSignは現時点では訴状を受け取っておらず、コメントできないと述べている。しかし、広報担当のブライアン・オーショネッシー氏によれば、VeriSignはSite Finderを引き上げる意図はないが、同社は業界に積極的に参加しており、問題や苦情については話を聞き、サービスを改善するという。

[Joris Evers, IDG News Service]