News | 2003年9月25日 08:33 PM 更新 |
「デジタルカメラの印刷はPCレス/ダイレクトが主流になる」と考えるキヤノンは、今回の新製品でもカメラダイレクトを意識した性能向上を全ラインアップで施している。
製品名 | PIXUS 990i | PIXUS 860i | PIXUS 865R | PIXUS 560i | PIXUS 900PD |
最高解像度 | 4800×2400ドット | 4800×1200ドット | 4800×1200ドット | 4800×1200ドット | 4800×1200ドット |
インク | 7色独立 | 5色独立 | 5色独立 | 4色独立 | 6色独立 |
印字速度(カラー) | 12ppm | 16ppm | 16ppm | 15ppm | 7ppm |
印字速度(モノクロ) | 16ppm | 23ppm | 23ppm | 22ppm | 8ppm |
インタフェース | USB 2.0、USB | USB、パラレル | USB、パラレル、IEEE802.11b | USB、パラレル | USB |
サイズ | 455(幅)×306(奥行き)×183(高さ)ミリ | 420(幅)×311(奥行き)×185(高さ)ミリ | 420(幅)×313(奥行き)×185(高さ)ミリ | 418(幅)×274(奥行き)×172(高さ)ミリ | 433(幅)×300(奥行き)×194(高さ)ミリ |
重さ | 6.2キロ | 5.8キロ | 5.9キロ | 4.9キロ | 5.6キロ |
価格 | 5万9800円 | 4万4800円 | 5万9800円 | 2万9800円 | 4万5800円 |
発売日 | 10月3日 | 10月3日 | 11月中旬 | 10月3日 | 10月3日 |
製品名 | PIXUS MP370 | PIXUS MP360 |
最高解像度 | 4800×1200ドット | |
インク | 3色1体+1色独立 | |
印字速度(カラー) | 12ppm | |
印字速度(モノクロ) | 18ppm | |
インタフェース | USB 2.0 | |
読み取りセンサー | CCD | |
光学解像度 | 1200×2400dpi | |
カラー階調(出力/入力) | 48ビット/24ビット | |
読み取り速度 | 9.9ミリ秒/Line | |
最大原稿サイズ | A4/レター | |
サイズ | 454(幅)×358(奥行き)×249(高さ)ミリ | |
重さ | 8キロ | 7.6キロ |
価格 | 4万4800円 | 3万9800円 |
発売日 | 10月10日 | 10月10日 |
これまで一部の機種だけがサポートしていたPictBridgeは、今回発表されたすべての新製品でサポート。これまでも「キヤノンカメラダイレクトプリント」機能があったが、同社製デジカメからしかできなかったカメラダイレクトが、PcitBridgeをサポートする他社製デジカメでも行えるようになった。
PIXUSの画像エンジンも、カメラダイレクトを意識して改良した「New キヤノンデジタルフォトカラー」を実装。これまでの「キヤノンデジタルフォトカラー」では、プリンタに入力された画像データを忠実に再現することを主眼に置いていたが、New キヤノンデジタルフォトカラーでは、記憶色やコントラストによるメリハリを重視した色作りを行うようになっている。
従来から行ってきた「写真画質の強化」では、細かいインク粒を実現するために、これまで上位機種で採用されていた吐出量2ピコリットルのノズルを、新製品の全シリーズで採用。さらに最上位機種のPIXUS 990iでは特色のレッドを加えた7色インクシステムで、色空間を拡張した。
7色インクをサポートしていない4色印刷のミドルレンジプリンタ「PIXUS 860i/865R」でも、従来の顔料系ブラックインクと染料系の「フォトブラック」を併用することで(このため、ヘッドに搭載されるインクタンクは五つになる)、黒が強調されたコントラストの高い写真画質を再現できるようになった。
PIXUS 990iではインクジェットプリンタで問題になるフォト画質の印刷速度も、従来よりも大型のヘッドを搭載し、一色あたり512だったノズル数を1.8倍の768ノズルに増やすことで改善した。
キヤノンによると、今回の新製品に搭載されたヘッドは「スピードと画質を両立で一応の完成をみた」としている。今回の発表会では「パフォーマンスの6割を決定する」ヘッドの構造を他社と比較することで、キヤノン製プリンタの優位性をアピールした。
キヤノンの説明によると、ヘッドのパフォーマンスをは「どれだけインクを細かく正確に吐出できるか」にかかっているという。キヤノンのヘッドはヒーターを制御するチップとインクノズルを「フォトリソ加工」で一体化しているのが特徴。
この一体化ヘッドのおかげで、ヒーター制御チップとインクノズルを別に成型しているHPのヘッドや、ピエゾ素子を搭載して小型にできないエプソンのヘッドと比べると、小さなインク粒を1200dpiという高密度で吐出できるようになっている。
今回の新製品では、ソフトウェアの使い勝手とペーパーハンドリングの向上も強化ポイントとして挙げられている。プリンタ同梱ソフトの一つ「Easy-PhotoPrint 2.0」では、DVDやCDなどの盤面印刷の設定が行えるようになり、自動赤目補正や肌の質感をなめらかに見えるように補正する「自動美肌モード」などの新しい画像補正機能がサポートされている。
PIXUS 990iでは、2種類の用紙をセットしてレバー操作で使い分けを可能にした「マルチペーパーハンドリング」がサポート。DVD/CDダイレクト印刷に使う盤面トレイも含めて3種類の異なる用紙に対する印刷を、トレイの差し替えなしに行うことができるようになった。
インクジェット複合機の「PIXUS MP370」「PIXUS MP360」ではコピー機能を充実させるため、複写機に適した絵作りが行われ、モノクロコピーではスピード重視、写真文章混在のカラーコピーでは文字を強調。また、これまでCISが使われていたスキャナヘッドにCCDを採用し、入力画質の向上を図っている。
今回のプリンタの発表に合わせて、印刷された画像の保存性を高めるため、耐候性を向上させたインク吸収層を塗布した専用用紙「プロフェッショナルフォトペーパー PR-101」「プロフェッショナルフォトはがき PH-101」も新たに登場する。
キヤノンの説明では、大気中ガス(とくにオゾン)に対する耐候性を従来の4倍に高めることで、「印刷された画像を100年間保存できる」としている。
なお、PR-101/PR-101に印刷する場合はドライバで用紙モードを選択して行うようになるが、期待通りの印刷結果をサポートするのはBTJヘッドを搭載するF850以降の製品になると、キヤノンは説明している。
[長浜和也, ITmedia]
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