News | 2003年10月9日 10:57 PM 更新 |
MR(Mixed Reality)の最先端技術やエンタテインメント作品が体験できる「MIXED FANTASY〜MRテクノロジーEXPO2003(略称MR-EXPO)」が東京都港区のコクヨホールで開催される。10月9日、一般公開(10月10〜12日)前に報道関係・学会関係者向けにイベント内容が紹介された。
「MR(複合現実感)」とは、CGの3次元映像などで表現された「仮想世界」と、われわれが実際に生活する物理的な「現実世界」をリアルタイムに継ぎ目なく融合させる先端技術。今回のMR-EXPOには、産官学におけるMR技術の最先端研究成果から芸術性/エンタテインメント性の高いものや、産業分野への応用が期待されるものなど計9作品が国内外から集まった(当初は10作品だったが、セントラルフロリダ大学の出展が通関手続き不備で中止となった)。
MR-EXPOは、まず会場入り口で驚かされる。なんと、自分の影が黒からカラフルなチェック模様に変わっているのだ。
これは、人物の左右両方から光を当てて、光が遮ぎられた(影となる)ところに映像を映し出すという仕組み。東京大学が出展した「Textured Shadow」だ。
2台のプロジェクターを用いて補色の原理を応用した映像投影を行うことで、“時間遅れ”や“解像度の粗さ”を感じずに影に彩りと動きを与えるのだ。応答速度や解像度は本物の影そのものだが、リアルタイムにカラフルな影が表示されるのは今までにない体験だ。
TVや一般紙などの報道関係者に注目を集めていたのが、フリーランスで映像アーチストの浅井和広氏とキヤノンとの共同作品「ジェリーフィッシュ・パーティー」。これは複合現実型エンターテインメント協議会(略称MREC)が昨年行ったMR技術応用ソフトのコンテスト「MREC 2002」のグランプリ受賞作品だ(別記事を参照)。
ジェリーフィッシュ・パーティーは、プレーヤーがMR技術によるシャボン玉のクラゲ(シェリーフィッシュ)を作って幻想的な空間を楽しむソフト。 プレーヤーが持つデバイス「ストローガン」で吹き込む息によって、CGの仮想オブジェクトを操作するところがポイントだ。
プレーヤーはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)越しに、CGと現実の世界が融合した幻想的な空間を体験することができる。ストローに吹き込む息の量やスピードに応じてCGの振舞いが変化し、クラゲだけでなくクリオネも出現する。
また、MREC2002受賞作品からは、筑波大学(竹村雅幸氏、原口俊吾氏)の「BLADE SHIPS」も出展。HMDの向こうに広がるCGと現実世界が融合したMR空間の中で、手につけた磁気センサーを駆使してCGの飛行体を操作する対戦型ゲームだ。
“マイノリティ・リポート”の世界を体験
HMDを使って仮想空間と現実世界とを融合させるパターンはMRの基本だが、HMDがなくてもMRは体験できる。
[西坂真人, ITmedia]
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