News:アンカーデスク 2003年10月10日 09:10 PM 更新

っぽいかもしれない
やってみないとわかんない〜「MIXED FANTASY〜MRテクノロジーEXPO2003」(1/3)

現実とVirtualを“ミックス”させるMixed Reality。これを体験できる展示会「MIXED FANTASY〜MRテクノロジーEXPO2003」が、12日まで東京・品川駅前のコクヨホールで開催されている。実際に体験することをおすすめしたいが、まずはレポートにてその内容をお届けしよう。

 Mixed Reality(MR)を体験できる展示会「MIXED FANTASY〜MRテクノロジーEXPO2003」が、10月10〜12日に東京・品川駅前のコクヨホールで開催されている。9日には一般公開に先だって、プレスおよび学会出席者向けの公開日があったので、それを見てきた。見てきたからには、人にもすすめなくてはいられなくなる、これはそういうイベントだ。

 Mixed Realityというのは、現実とVirtualをミックスさせるものだ(*1)。現実をベースにしてその上にVirtualを重ねるのがAugumented Reality(AR)、Virtualがベースでそれをより現実らしくする(そのために現実のデータを使う)のがAugumented Virtuality(AV)。今のところこのように2つに分類されているのだけど、少しずつ境目があやふやになってきたような感じだ。いつかはどっちがどっちだかわからなくなってくれるんだろう。

  • Textured Shadow

 会場に入ってすぐの床に展示されているもの。東京大学 苗村健氏他による。


ムービーはこちら(0.8Mバイト)

 自分の影が、青と緑の市松模様になっているのだ。自分が動けば市松の影もちゃんとついてくる。遅れは全くない。よく見ると反対側にも薄い影があって、それも動いている。上を見ると両側にプロジェクターがあって床に向かって光を投影している。影の位置を検出してそこに合うように市松を投影しているのかな、それにしても遅れがないな……とか思っていたら全く違った。

 一方のプロジェクタからは単に青と緑の市松パターンが投影されているだけ。そして反対側のプロジェクタは、それと(光の3原色で)補色になるパターンを計算して投影しているのだ。間に何もないとき、床には両方のプロジェクタの光が重なり、打ち消しあって白になる。そして、間に人が入ると、その影の部分は打ち消されなくなるからそれぞれのパターンの「影」になるというわけ。本物の影なんだから遅延があるわけはない。最初に位置合わせはきちんとしなきゃいけないけど、あとはとってもシンプル。美しい。

 補色は計算で出しているので、原理的には元のパターンはなんだって構わない。計算速度さえ追いつけば動画だっていい。でも、実際には消えやすい色と消えにくい色があって、そのあたりは研究課題なんだそうだ。でも、それは早晩解決されそうな気がする。

 イベント会場やアミュージメントパークなんかの入り口に置いたら、かなり“キャッチー”だ。今回もそういう位置にあったわけだけど。

 キヤノンの奥野泰弘氏と角田弘幸氏他による。

 MREC2002コンテスト(関連記事を参照)でグランプリをとった浅井和広氏のアイデアを具現化したものだ。

 参加者はHMDをかぶってフィールドに入る。HMDは非透過型だけど、カメラを通じた画像が映っているので、意識としてはシースルー。またHMDには磁気センサーが付いていて頭の位置が検出されている。

 そして手には「ストローガン」を持つのだ。これは、シャボン玉の吹き口の付いたガンだ。この吹き口を吹くと、目の前で(HMDの中で)シャボン玉が膨らむ。膨らみ方は息の吹き込みかたにちゃんとついてくる。ガンに付いたスイッチ(トリガーボタン)で、Virtualの吹き口を取り替えることができて、普通のシャボン玉、大きいシャボン玉、クリオネ(!)が吹き出せるようになる。


 吹き出されたシャボン玉のうちのいくつかは、しばらく経つとクラゲ(jellyfish)に変化して空間を漂う。“ほへっ”としてうれしい(わたしはクラゲ好きだからなおさらなんだけど)。


*1 (毎度おなじみの注釈だけど)現実のほうは漢字で、Virtualの方は英語のまんまにしておくのは、わたしは「Virtualは仮想じゃない」という意見を支持しているからだ(ここ参照)。

[こばやしゆたか, ITmedia]

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