News:アンカーデスク | 2003年10月17日 07:26 PM 更新 |
9月の終わりくらいに@niftyのサイトに「ミクロ楽団参加者募集」の案内が出ていた。「音楽を松浦雅也、キャラクターデザインを松浦季里、シナリオを伊藤ガビンが担当する豪華プロジェクト」で、参加者はPDAを持って東京の青山の街を歩いて「ミクロ楽団」を探し出すものらしい。なんだかよくわからないけど、おもしろそうな気がする。申し込んでみた(*1)。
ミクロ楽団に出かける
イベントは10月11、12日にそれぞれ2回ずつ、計4回開催された。わたしが参加したのは12日の最初の回。この日、東京では前日の夜から明け方まで強い雨で心配したんだけど、朝にはすっかりやんでくれた(*2)。歩き回るにはちょっと暑そうなくらいだ。
今回は同行者1名。自分は取材をすることにしてプレイはそっちに任せよう、という魂胆である。渋谷で待ち合わせて青山に向かう。やっぱり暑い。
スタート&ゴール地点は神宮前の「康ギャラリー」。パーティでかぶるような紙の赤い三角帽子をかぶった白いつなぎのお兄さんが出迎えてくれる。ちょっとドキドキしながら聞いてみる。
「その帽子は、参加者もかぶるんですか?」
「そうです!」
「青山を、その帽子で」
「この帽子で歩きます!」
思いっきりひるんだけど、来ちゃったものはしょうがない。中に入って受付をする。水色とピンクの三角帽子をそれぞれ受け取る。
いけない。帽子に気をとられた。大事なPDAも受け取ったのだ。富士通のPocket LOOX。それと一緒に「ミクロ楽団」の操作マニュアルと、周辺の地図も渡された。
PDAは既にソフトが起動して画面の「START」を押せばいいようになっている。そりゃ、まぁ押してみる。なんか画面が変わる。でも、それ以上特に進む様子もないので、きょろきょろしてたら、スタッフが「あ、押しちゃいました?」ってやってきた。奥に持っていかれて、再び「START」の画面に戻される。まだ、押しちゃいけなかったのね。
人はどんどん集まってくる。1回の参加者数は24組。1人または2人での参加ってことになっているのだけど、やっぱり2人で来ている人が多いみたいだ。ざっと見た感じでは男女比は1:1くらい。帽子は、ちゃんとかぶっている人もいるけど、やっぱり手に持ったり首の後ろに回したりなんて姿が多い。
ミクロ楽団の概要
さて、そうこうするうちに、いよいよ説明が始まった。合成音声の歌(*3)によるガイダンス(ちょっと好き)や、スタッフの説明によると、今回の設定は次のようなものである。
毎日毎日、この地球には宇宙から何トンもの微生物が降り注いでいる。この微生物(=ミクロ楽団員)は、種類によって、それぞれ固有の音を出す。それぞれは簡単な音しか出さないのだけど、たくさん集まると、一つのオーケストラのような豊かな音楽を奏でることができる。
ミクロ楽団員の母星には、「パイロン」(工事現場においてある円錐)に似たものがたくさんある。だから、地球でも彼らはバイロンの中にいるのが落ち着くのだ。
PDAを持って街に出て、パイロンを捜して、中にいるミクロ楽団員を捕獲して、たくさん集めて、ここに帰ってこよう。そうして、ミクロ楽団の奏でる音楽を聴いてみよう。
具体的な作業はこんな感じだ。
PDAを持って街に出る。これにはPHSカードが差さっていて、これで本部にあるサーバとの通信と位置同定とを行っている。自分のいる位置によって、近所にある「パイロン」の情報が得られ、画面では「ビフィ・スズキ」が道案内をしてくれるというわけ。
パイロンを見つけたら、その色をPDAに入力、さらに穴を覗くとわかる「マーク」(8種類)を入力。これで、そのパイロンが特定されて、それに関する情報が得られる。今回のイベント用のパイロンは、白とかピンクとかちょっと変わった色で、さらに水玉模様が付いていて、覗き穴まである。その上2つ一組で並んでいる。普通のパイロンと間違える心配はない。
パイロンはエリアのあちこちに散らばっているのだけど、そのすべてに「ミクロ楽団員」が潜んでいるわけじゃない。いるのは全部で3カ所だけなのだ。でも、ハズレのパイロンでも、「もうちょっと」みたいな情報は得られる。
さて、当たりのパイロン(ポイント)に出会ったら、PDAは捕獲モードになる。画面を流れるミクロ楽団員を見ながらタイミングよくボタンを押してアームで捕まえるのだ。見事Getした楽団員は、PDAの中に移ってくる。チャンスは1カ所の当たりで3回。だから、最高で3×3の9匹Getできることになるわけ。
捕まえたミクロ楽団員は、他の参加者が捕まえたものと「交配」させられる。ここで目立つ帽子が意味を持つ。三角帽子をかぶっている人を見つけたら、それが参加者だから、声をかけてどんどん交配しようというわけ。
今回のイベントには3つのコミュニケーションがあるのだそうだ。一つはもちろん参加者とミクロ楽団とのもの。二つ目は参加者同士の。そして三つ目は参加者と街とのコミュニケーションだ。ちょうど「東京デザイナーズブロック」の期間中で、青山の街にはいろんなアートやインスタレーションが散らばっている。その街の中をあの帽子をかぶって歩けば、参加者それ自身もアートとなる。もしかすると声をかけられることもあるかもしれない。
この話には、なんだか説得力があった。じゃぁ帽子をかぶろうかっていう気持ちになったもの。「ミクロ楽団としては、帽子はちゃんと頭にかぶってください」なんて話もされたのだけど、それ以前に、みんな帽子をかぶるようになってる。わたしでさえ、最初はちゃんとかぶってた(この帽子、風が通らないから意外に暑いのだ)。
ミクロ楽団の始まりと失敗
12時10分、カウントに合わせて、こんどこそ「START」ボタンを押して、行動開始。13時40分までに、ここに帰ってこなくてはいけないのだ。
[こばやしゆたか, ITmedia]
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