News | 2003年10月21日 02:37 PM 更新 |
10月18日、東京・目黒区において、渋谷周辺のインターネット関連企業などに勤務している Perlユーザー中心の団体「Shibuya Perl Monger」主催のテクニカルトークが行われた。
この「Perl Mongers(パールモンガーズ)」は、Perlを使う人々の地域ごとの集まりで、ニューヨークで始まったものが、今では全世界に広がっている。日本では渋谷(shibuya.pm)のほか、関西(kansai.pm)や東京(tokyo.pm)がある。
「Shibuya Perl Mongers 1周年記念テクニカルトーク」は、そのタイトルのとおり、shibuya.pmの1周年を記念して行われたイベントである。イベントでは、Perlにまつわるさまざまなテクニックやテクノロジーの紹介が行われた。
最初に登場した伊藤直也氏は「BlogテクノロジとWebサービス」という題目で、注目のブログ(ウェブログ)の最新動向を解説した。
最近のブログのトレンドを「サイトのコンテンツやデザインを管理する軽量なCMSをXML応用技術やウェブサービスなどでトッピング」と指摘。その具体例として、RSSやXML-RPCといったXML応用技術やAmazon.comのAWS(Amazon Web Service)などのWebサービスの解説を行った。
最後に、ブログのキーワードとして「Lightweight(軽量性)」を挙げ、やはり「Lightweight」な言語であるPerlとの親和性を強調した。
次に登場した竹迫良範氏の題目は「mod_perlにおけるC10K problem」である。
「C10K problem」とは少々聞きなれない言葉だが、Cは「Client」や「Connection」を意味する。つまり「10000クライアント同時接続問題」という意味だ。
スピーチでは、「mod_perl(Apache上でPerlの機能を利用するアドイン)」を使用するにあたって発生する「C10K problem」を回避するためのさまざまなノウハウが解説された。具体的には、Apacheのチューニング方法や、HTTPソフトウェアアクセラレータ「Esehttpd」、ロードバランサソフト「Pound」などのツールが実際の運用例を交えて紹介された。
3人目に登場したのはshibuya.pmの主催者である宮川達彦氏で、演題は「BlosxomによるCMS構築とSEOテクニック」。
前半はPerlによるブログツールである「Blosxom」の紹介と、プラグインを利用したCMSツールへの機能拡張の実例を「Shibuya Perl Monger」のサイトを例に解説した。
そして後半は、ブログとSEO(Search Engine Optimization)が相性がいいというテーマについて、実際に試みたSEOテクニックとその効果を発表。そのSEO効果のすごさに、会場からは思わず歓声があがったほどだった。
宮川氏は、ブログツールによって作成されたサイトのページランクが高い理由として、
を挙げた。いずれも納得できる理由である。
最後に「Lightning Talks Session」と呼ばれるユニークな試みが行われた。
これは、一人につき5分の持ち時間で、9人のスピーカーがプレゼンテーションを行うというものである。9人がそれぞれ主にPerlにまつわるユニークな発表を行ったが、時間が過ぎるとドラが鳴って否応なく退場……という過酷なルールに場内は笑いにつつまれた。
約3時間にわたって行われたトークイベントは、開発者の間でもブログやRSSがホットな話題になっていることが感じられた催しだった。
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[田口和裕, ITmedia]
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