News 2003年10月23日 09:28 PM 更新
IDG

Dell、オランダのユーザーグループに訴えられる

20万人の会員を有するオランダのユーザーグループがDellを訴えた。訴状によれば、同社製品の販売条件がオランダの法律に違反しているという。(IDG)

 ドイツのコンピュータ・ユーザーグループが先週、Dellを訴えた。世界最大のPCメーカーである同社の販売条件がオランダの消費者保護法に違反しているというもの。

 オランダのホーヘンに本部を置くHobby Computer Club (HCC) が、20万人以上の会員のため、Dellが問題の販売条件を取りやめるか、1日当たり5000ユーロ(5825ドル)で最大500万ユーロの罰金を課すようオランダの裁判所に訴えた。HCCのウェブサイトに法定文書が掲載されている。

 HCCはさらに、Dellがオランダの主要新聞に広告を出し、同社の販売条件がオランダの法律に違反していた事実を認めるよう、裁判所に求めている。この広告が裁判所の判決後2日以内に掲載されない場合は1日当たり2500ユーロで最大250万ユーロの罰金を課す、とHCCは訴えている。

 HCC会員数人は、自分たちが購入したDell製のシステムが故障もしくはまったく動作しなかったときにはねつけられるという体験をした、と声明文には書かれている。Dellは顧客に対し、繰り返し販売条件を見るように言い、顧客には権利がないと話したとHCCは述べている。

 HCCによれば、同クラブが訴訟に踏み切った理由は、販売条件に関してDellと何度も話し合いを持ちかけたにもかかわらず、何の返答もなかったからだという。

 訴状にはオランダの法律に対する侵害の例が多数記載されている。その多くはDellが自社製品の補償と責務を制限していることに関連したもの。

 たとえば、Dellの販売条件ではDellがコントロール不可能な広範囲な状況を挙げ、Dellが、ストライキ、通貨変動、輸送、供給、製造などの状況下において発注をキャンセルしなければない場合には、消費者には損害賠償を要求する権利がないと明記している。オランダの消費者は補償を受ける権利があるとHCCの訴状では述べている。

 また、Dellは製品の補償を配送後12カ月、スペアパーツの装着後90日に限定している。Dellがこの期限後に発生する責任を引き受けないつもりならば、これはオランダの法律に違反するとHCCは主張している。

 HCCは、顧客はDellとコミュニケーションを取るコストをすべて負担すべきだとしている販売条件の記載も問題にしている。Dellの製品に欠陥がある場合、Dellは製品返却のためのコストとDellへの電話代を負担すべきだとHCCは主張する。

 米国Dellの代表者からのコメントは記事執筆時までに得ることができなかった。しかし、オランダIDGのWebWereld誌の報道によれば、欧州Dellの代表はHCCによる訴訟を真剣に受け止めており、HCCとの話し合いを始めたいと考えているという。また、WebWereld誌によれば、Dellはオランダの法律を遵守するよう、定期的に販売条件を調査しているという。

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