News 2003年10月28日 07:52 PM 更新

ボタン1つでセキュリティ設定が自動変更――NECがユーザー向け新サービス

NECとNECパーソナルプロダクツが、PCセキュリティ環境設定を自動で行う新サービスを同社PCユーザー向けに開始した。ユーザーのセキュリティ面での設定不備を自動認識し、ボタン1つで複雑な設定を代行する「自動操作機能」が特徴だ。

 NECとNECパーソナルプロダクツは10月28日、ユーザーのPCセキュリティ環境設定を自動で行う新サービスを本日から順次開始すると発表した。サービス対象機種はWindows XPを搭載した同社製個人向けPC(2002年10月発売以降のVALUESTAR/LaVie)で、サービス料金は無料。Internet Explorer(IE)自動設定サービスを10月28日から、Windows Update自動設定サービスを11月12日からそれぞれ開始する。

 新サービスは、2002年10月から同社製個人向けPCにバンドルされているサポートソフト上で動くPush型情報配信サービス「121ポップリンク」を利用している。121ポップリンクは、ユーザーがインターネット接続している間に、バックグランドで同社サイトに自動アクセスしてユーザーに合った情報(ドライバーアップデートや各種サポートなど)を取得し、ポップアップウインドウでユーザーに知らせるものだ。


情報をポップアップウインドウでユーザーに知らせる「121ポップリンク」

 近年、IEのセキュリティレベルが低く設定されていたり、Windows Updateの自動通知を受信せずWindowsの更新を怠ったためにウイルスに感染してしまうケースが増えている。

 今回の新サービスでは、IEのセキュリティ環境設定がマイクロソフトの推奨レベルである「中」に選択されていない場合や、Windows Updateの自動通知設定が未設定の場合に、ユーザーの設定を自動認識して121ポップリンク経由でユーザーにメッセージを通知して注意を促す。

 メッセージの内容も、単に設定不備を注意するだけでなく、IEセキュリティレベルやWindows Updateの役割やセキュリティ面での重要性などを詳しく紹介。さらに、詳細な情報を掲載したページへのリンクも張られている。


 ただし、初心者ユーザーなどは文章で説明してもなかなか設定できないケースが多い。「インターネットオプションの変更のみならず、コントロールパネルすら開いたこともないユーザーもいる。これら初心者にとって、IEのセキュリティ環境設定やWindows Updateの自動通知設定は、ものすごくハードルの高いもの」(同社)

 そこで新サービスでは、複雑な設定を代行する「自動操作機能」を追加。メッセージの右側にある「代行操作を実行する」ボタンを押すだけで、ユーザー自身で操作することなく、PCの環境を自動的に設定変更することができる。


「代行操作を実行する」ボタン

 だが、PCセキュリティのような重要な設定操作は、ユーザー自身がしっかりと覚えていく必要がある。

 今回の自動操作機能は、設定操作をバックグランドで行ったり、手順だけアニメーションなどで流すといった方法ではなく、実際のOS内関連ウインドウをアプリケーションで操作して、ユーザーが行うのと同じように設定を変更していくのがポイント。画面上では、実際に設定変更作業がリアルタイムで閲覧できるほか、要所要所でヘルプ情報を交えた操作手順がマーカーアクセントで表示される。


実際に設定変更作業がリアルタイムで閲覧可能。ヘルプ情報を交えた操作手順がマーカー表示

 「今回の新サービスは、121ポップリンクを使うことで、リアルタイムの注意喚起とピンポイント的なユーザー通知ができるのがポイント。また、自動設定ツールによる設定代行の操作手順が視覚的に分かるため、ユーザの自己学習も支援できるのも特徴。途中でESCキーを押せば、任意の場所で作業を一時停止/中止することも可能。悪意ある行為でセキュリティレベルが意図的に下げられても、その時点でポップアップウインドウでアナウンスできるので、迅速な対応ができる」(同社)

 今回のサービスを応用すれば、不要なサービスポートを閉じたり、特定ウイルスの実行ファイルの削除など“初心者ユーザーでなくても面倒な”作業の代行にも活用できそうだ。

 「ウイルスの削除なども技術的には可能だが、できればそちらは専門家であるアンチウイルスソフトベンダーに任せてわれわれは予防策の方にまわりたい。将来的には、121コンタクトセンター(電話相談窓口)や121ware.com(パーソナル商品総合情報サイト)で問い合わせ頻度の高いPC関連操作を、今回のシステムで自動化していきたい」(同社)

関連リンク
▼ 121ware.com
▼ NEC

[西坂真人, ITmedia]

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