News 2003年10月29日 11:47 PM 更新
IDG

Intel社長、RFIDチップ参入の意思なしと言明

Intelの社長兼COO、ポール・オッテリーニ氏は、利益性の低いRFIDチップ製造にIntelが飛びつくことはないと述べた。(IDG)

 Intelはワイヤレス技術に対し、徐々にフォーカスしているが、だからといってRFID (radio frequency identification) の製造に興味があるわけではないと、同社の社長兼最高執行責任者(COO)であるポール・オッテリーニ氏は10月28日、Forrester Researchがボストンで開催したExecutive Strategyカンファレンスで述べた。

 Intelは802.11、シリコンラジオといったワイヤレス技術に多大な投資を行ってきた。同社は小売業者や物流会社が商品をトラッキングするためにRFIDチップを製造しようというメーカーは、採用されるためには究極的な低コストで作る必要があると述べた。

 「われわれは1チップ1ペニー(の市場)に飛びついたりしない」とオッテリーニ氏。「多額の金を稼ぐためには非常に多くの個数を売らなければならない」と同氏。

 RFIDチップやセンサーなどの特殊用途のワイヤレスネットワークの利用を進めていくにあたってのIntelの役割は、これらのチップにより収集されたデータにアクセスし、分析するサーバ、PCにパワーを与えることだとオッテリーニ氏は述べた。

 Forresterのカンファレンスは拡張インターネットの台頭にフォーカスしたもの。拡張インターネットとは、在庫や配送車などの物的資産をデバイスやソフトウェアによりデジタルネットワークに接続するというものだ。

 RFIDチップは在庫管理の標準として、バーコードを置き換えるものとみなされているが、移行にあたってはプライバシーやコストに関するいくつかの問題を乗り越える必要がある。

 オッテリーニ氏は、ワイヤレスの世界にはいくつかの側面があると述べた。無線周波数帯域に関しては、連邦通信委員会(FCC)のマイケル・パウエル委員長の戦略への支持を表明した。各国政府は軍事目的にどの周波数帯域が必要であるかを決定し、それ以外を商用向けに開放すべきだと、同氏は述べた。

 無線機器に使われている周波数帯域が統制されていないため、この技術は「ウイルスのような増加現象」となっているとオッテリーニ氏。

 IntelはPCの性能を携帯電話に取り入れようとしており、そのことがワイヤレス標準とアプリケーションの採用を加速することになるだろうとオッテリーニ氏は主張する。

 「現在の3GHz超 Pentium 4プロセッサが携帯の中に入っていると考えてみてほしい。バッテリーと熱の問題も改善するつもりだ、そこの皮肉屋さん」と同氏は述べた。

[IDG Japan ]

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.