News | 2003年10月29日 11:56 PM 更新 |
昨日発表されたソニーと韓国Samsung Electronicsの提携によって、これまでのFPD(フラットパネルディスプレイ)市場の図式が大きく塗り替えられる可能性が出てきた。そんな中、パシフィコ横浜で10月29日からFPD関連の展示会「FPD International2003」が開幕、国内FPDメーカーや韓国・台湾勢などがFPD関連の最新技術・製品を紹介している。
昨年までのLCD/PDP Internationalから名称を改めて開催された同展示会には、昨年比34社増となる計243社が出展。国内メーカー(201社)だけでなく、海外メーカーも42社が出展するなど、名称どおり国際色豊かな顔ぶれになっている。
会場での注目は、やはりソニーとの協業で話題となっているSamsungグループのブースだ。Samsung Electronics/Samsung SDIともに8コマずつ計16コマの広いスペースを使って、液晶/PDP/有機ELや3Dディスプレイ(液晶/PDP)など、多彩なFPDを展示している。
近年の同展示会の“見もの”は、“世界最大FPD”をめぐる「Samsung」vs「LG」の韓国メーカー対決だ。昨年は、PDP(63インチ)と液晶(46インチ)の両分野でSamsungが「World Largest」(世界最大)を誇らしげにアピールしていた。
今年のSamsungブースも、今年1月のCESにSamsung Electronicsがお披露目した54インチのTFT液晶ディスプレイや、今年5月にSumsung SDIが発表した70インチのPDPといった超大型FPDを展示し、多くの人を集めていた。
この液晶/PDPともに、発表時は“世界最大”をうたっていたが、今回の展示品には「World Largest」の文字が見当たらない。
そう、現時点ではLGグループが液晶/PDPの「世界最大タイトルホルダー」だからだ。Sumsung SDIが発表した2カ月後の今年7月に、LG ElectronicsがSumsung SDIのよりも“わずか1インチ”大きな71インチPDPを発表。そして今回、LG Philips LCDが展示会の目玉として、やはりSamsung Electronicsのより“わずか1インチ”大きな55インチTFT液晶ディスプレイをお披露目した。
LG Philips LCDは昨年9月、同展示会直前に発表した42インチTFT液晶ディスプレイの“世界最大タイトル”を、わずか1週間後にSamsungが発表した46インチに奪われ、展示ブースで“World Largest”を冠せなかったという苦汁をなめている。
LG Electronicsは出展しなかったため71インチPDPは紹介されなかったが、液晶トップシェアのSamsungに、今回の55インチで一泡吹かせてやったといったところだろうか。ちなみに、Samsungの70インチPDPには「世界で最初(World's 1st)の70インチ」という“やや未練がましい”但し書きがあった。
国内の“雄”は堅実路線
元気のいい韓国勢に押されがちな“FPD大国”日本だが、国内の“液晶の雄”シャープブースでは、液晶TV「AQUOS」向けパネル生産の新拠点として2004年1月に本格稼動する亀山新工場の試作品を紹介していた。
この試作液晶パネルは今月初旬に開催したCEATECでお披露目されたもの(別記事を参照)だが、CEATECで展示された37インチと32インチに加えて、今回は26インチも初登場。いずれも、高コントラスト比/高速応答/高輝度を売りにした高性能パネルだ。
[西坂真人, ITmedia]
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