News 2003年10月31日 11:09 PM 更新
IDG

EUスパム規制法発効で対応迫られるマーケティング業者

EUのスパム規制法が10月31日、発効する。1年間の周知期間はあったものの、まだ対応のとれていないマーケティング業者が多いのが実情だ。(IDG)

 「個人情報および電子的コミュニケーションに関するEU指令」が10月31日、発効する。これにより、EU加盟国のマーケティング業者はほとんどの場合、ダイレクトメールを送付する前に消費者の了解を得なければならなくなる。

 消費者が自分たちのメールアドレスを製品やサービスに関連すると申請した場合以外は、いわゆる「オプトイン」方式が適用される。その場合、ダイレクトマーケティング業者が消費者に対して類似製品およびサービスに関してコンタクトするのは、オプトアウトする機会が与えられた場合に制限される。

 このルールは昨年7月に初めて公開され、FAX、自動音声応答機、SMS(ショート・メッセージ・サービス)にも適用される。

 このEU指令は、消費者のメールボックスがスパムであふれてしまうのを阻止しようとする世界の政府機関の動きを受け、成立した。米国上院は商用電子メールにはオプトアウトする機構を組み込むよう定め、ミスリードするヘッダー情報を持ったスパムには1通当たり100ドルの罰金を課すという法案を通過させた。

 スパム問題はここ数カ月ホットな話題となっており、その対策のため、一部のマーケティング業者は面白くない状況に陥っている。合法的なダイレクトマーケティング業者は、世界中の対策法や規制はごた混ぜ状態で、混乱を招いているうえに、スパムの本当の問題は彼らまじめな業者にあるわけではないと不満を漏らしている。

 マーケティング業者は新しいルールのもとでビジネスをしていかなければならない模様だが、関係する企業が規制に対応できるようなガイドラインが数多くリリースされている。

 たとえば英国の事務弁護士、スプラット・エンディコット氏はマーケティング業者に対し、顧客にはコミュニケーションをオプトアウトする機会を提供し、EU指令を反映している英国広告・販売促進・直接販売法“British Code of Advertising, Sales Promotion and Direct Marketing”を熟読するよう助言している。他のEU加盟国のマーケティング業者も、同様に自国のルールとEUのルールの両方を遵守する必要がある。

 こうしたアドバイスを受けても、新しいルールに困惑している業者は存在するようだ。

 プロフェッショナルなウェブマスター業務関連BBSで、あるユーザーは先月、クライアントのウェブサイトを新しい規制法に適用するにはどうしたらよいのか、「きわめて困惑している」と述べた。別の投稿者のメッセージには、EU指令は「お役所用語ばかりでウェブマーケティング業者やウェブマスターに適切な助言をしてくれていない」と書かれている。

 この指令が公開されて1年以上になるが、今から規制に適応しようとしているマーケティング業者は、ハロウィーンに発効するEU指令に怯えることになりそうだ。

 EU指令はPDF形式で、ここからダウンロードできる。

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