News 2003年11月17日 11:23 PM 更新
IDG

Adobeがサーバ版Acrobat Elementsをリリース

サーバ側でドキュメントファイルをPDFに変換するソフトをAdobeがリリースした。(IDG)

 Adobe Systemsは11月17日、Acrobat Elements Server 6.0を発表した。この新製品はデスクトップ用ソフトウェアを使わずにPDF (Portable Document Format) を作成したい企業ユーザーをターゲットにしている。

 Acrobat Elements Server 6.0は4月に発表されたAcrobat Elements 6.0に次ぐもの。両製品ともに企業内で文書を簡単にPDFファイル化することを目的としており、Acrobat 6 Standard版やProfessional版のように複雑な機能はサポートしていない。

 Adobe Elements製品はPDFの暗号化とパスワード保護をサポートしている。このソフトウェアでは、レビュー管理およびコメントツール、複数アプリケーションのファイルを1個のPDFファイルにまとめる機能などが欠けている。これらの機能はAcrobat 6 Standard版およびProfessional版には搭載されている。

 AdobeはAcrobat Elements 6.0の売れ行きには満足しているが、ソフトウェアをユーザーのコンピュータにインストールしたくない企業のために、サーバ製品を追加することにした。「IT管理者がやってきて、この製品をデスクトップには入れたくないと言ってきた」とAdobeのワールドワイドエバンジェリストであるジョナサン・ノウルズ氏は語る。

 同デスクトップ製品では、ユーザーが著名なフォーマットのファイルをドラッグ&ドロップで簡単にPDF変換することが可能。MicrosoftのOfficeアプリケーションではワンクリックで変換できるとAdobeは説明している。

 Acrobat Elements Serverは、ユーザーがファイルをPDFファイルに変換するためのもう一つの方法をIT管理者に提供する。Webブラウザを通してファイルを変換し、電子メールを使ってファイルを受け取ることができ、ネットワークフォルダに関連付けて、変換したファイルをそのフォルダに保存することも可能だ。管理者は異なる電子メールエイリアスやネットワークフォルダ毎に暗号化や品質などの設定をプリセットすることができ、オプションはウェブインタフェースで提供されるとAdobeは説明している。。

 他のソフトウェアメーカーもAPIに合わせてプログラミングすることで自分のアプリケーションをAcrobat Elements Serverに対応させることができるとAdobe。

 AdobeはPDFを考案した企業ではあるが、ファイルを同フォーマットに変換するサーバ製品を出したのは最初ではない。ActivePDF、Enfocus SoftwareなどはAdobeのElements Serverと似たような機能を持つ製品を既に販売している。Adobeのノウルズ氏は「この技術を発明したのはAdobeだ。われわれの製品が最高だ」と述べた。

 Acrobat Elements Server 6.0の価格はユーザー1人当たり28ドルで最大1000ユーザー。サーバ単位での購入も可能で、その場合はサーバ1台当たり2万2500ドルとなる。ユーザー1名当たりのライセンスの場合には複数サーバへのインストールが可能。同製品の最初のリリースは11月26日に予定されている。英語のみをサポートし、日本、中国、韓国を除く全世界で販売される。これはいわゆるダブルバイトのファイル名をまだサポートしていないためだとノウルズ氏は説明している。

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