News | 2003年11月26日 07:37 PM 更新 |
富士写真フイルムは11月26日、スーパーCCDハニカムIV HRを採用したコンパクトデジカメ新製品として、大型サイズCCDを搭載した縦型コンパクト機「FinePix F610」と、防水/防塵仕様デジカメ「BIGJOB HD-1」を発表した。F610が2004年1月中旬から、HD-1が2004年2月上旬から発売する。価格はオープンだが、実売はF610が6万円前後、HD-1が7万円前後になる見込み。
F610は、2002年1月に発表した「FinePix F601」の後継機。1998年にコンパクト機の高画素化旋風を引き起こした世界最小・最軽量のメガピクセルデジカメ「FinePix 700」以来、同社デジカメ伝統の縦型スタイルを継承した“由緒正しき”ミドルレンジコンパクト機のフラッグシップモデルだ。
同社はこの縦型スタイルを“節目”のモデルに採用してきた。同社独自のスーパーCCDハニカムを初めて搭載したデジカメは縦型の「FinePix 4700Z」であったし、大幅に機能アップした第三世代のスーパーCCDハニカム IIIと同時に搭載機として発表されたのがF601だった。
縦型スタイルをまとった今回のF610も、もちろん同社の最先端技術が盛り込まれている。もっとも特徴的なのが「“超”高解像度撮影」だ。
F610のCCDには、独自の微細化技術によって画素密度を高めた高画素タイプのスーパーCCDハニカムIV HRを採用。1/1.7インチという大型サイズによって有効画素数は630万画素となり、ハニカム処理で最大1230万画素(4048×3040ピクセル)という“超”高解像度の画像を撮影できる。
1/1.7インチサイズのHRは、今年10月21日に発表した「FinePix S7000」ですでに搭載されているが、F610の大きさは71.9(幅)×93(高さ)×31.3(奥行き)ミリと手のひらサイズ。「光学3倍ズームレンズ一体型コンパクト機で、有効630万画素/最大記録画素数1230万画素はF610が世界初」(同社)
もう1つの特徴は、F610の“裏側”にある。
F610の背面部には、1.8インチ(13.4万画素)の液晶ディスプレイに加えて、撮影/再生時の各種情報を見ることができる「大型ドットマトリックス文字表示液晶パネル」を搭載。これは、同社のレンズ交換式一眼レフデジカメ「FinePix S2 Pro」に搭載され、好評を得ていたものだ。S2 Proではバックライトがオレンジだったものが、F610ではブルーに変更されている。
“由緒正しき”縦型スタイルも、使いやすさを求めてブラッシュアップが行われている。
本体背面の右上部にモードダイヤルを設置。オート/マニュアル/動画/シーンポジション(人物・風景・スポーツ・夜景)などモード設定が、片手で簡単に操作できる。また、十字キーやスライド式の電源スイッチ、メニュー/フォトモード/DISP(表示)ボタンなどもすべて右手だけで操作できるように配置したほか、グリップ形状を見直してホールド性を高め、縦型スタイルの欠点だった持ちづらさを軽減した。
レンズは35ミリ判換算で35〜105ミリ相当の光学3倍ズーム“スーパーEBCフジノン”レンズを搭載。開放絞り値はF2.8〜F4.9と比較的明るめのレンズを採用した。ハニカムズームと併用して、最大7.5倍(1280×960ピクセル時)の高画質なデジタルズームが行える。絞り設定は広角側でF2.8〜F8まで10段階に切り替え可能など、より多彩な絵作りをサポートする。
また、約1.3秒の高速起動や約1.1秒のレリースタイムラグなど高速レスポンスを実現したほか、センター固定AF/コンテュニアスAF/エリア選択AF/オートエリアAFなど多彩なAF機能を搭載。VGA・30フレーム/秒(AVI形式)の音声付き動画撮影などを装備した。
記録メディアはxD-ピクチャーカードを採用。電源は専用リチウムイオン充電池(NP-40)を使用する。メディア/バッテリ込みの重さは約215グラム。
FinePix F610の主な仕様は以下の通り。
製品名 | FinePix F610 |
撮像素子 | 有効630万画素1/1.7型スーパーCCDハニカムHR(原色フィルター採用) |
記録画素数 | 1048×3040/2848×2136/2016×1512/1600×1200/1280×960ピクセル |
記録方式 | 静止画:JPEG(DCF/DPOF対応、Exif 2.2準拠)、動画:AVI(Motion JPEG) |
動画撮影 | 640×480ピクセル/毎秒30フレーム |
レンズ | 光学式3倍ズームレンズ(35mmカメラ換算で35〜105ミリ相当)、F2.8〜4.9 |
デジタルズーム | 最大3.2倍(光学3倍と併用して最大9.6倍) |
感度設定 | オート(ISO125〜400)、ISO160/200/400/800(3Mモード以下)相当 |
ファインダー | 実像式光学ズームファインダー |
液晶ディスプレイ | 1.8インチCGシリコンTFTカラー液晶(13.4万画素) |
記録メディア | xD-ピクチャーカード(16Mバイト同梱) |
電源 | 専用リチウムイオンバッテリ(NP-40) |
サイズ | 71.9(幅)×93(奥行き)×31.3(高さ)ミリ |
重さ | 195グラム(本体のみ)、215グラム(メディア/バッテリー含む) |
価格 | オープン(実売6万円前後) |
発売時期 | 2004年1月中旬 |
“現場”からアウトドア派まで――防水・防塵「BIGJOB HD-1」
[西坂真人, ITmedia]
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