News | 2003年11月26日 06:38 PM 更新 |
Microsoft Office System 2003とIP電話を融合させたコミュニケーションツール「I_Teamesse」(アイティーメッセ)がNECインフロンティアから11月26日に発表された。発売開始は12月18日で価格は5クライアント構成で約30万円から。
NECインフロンティアが「ユビキタスコラボレーションウェア」というカテゴリーを附したアイティーメッセは、「今までのネットワークコミュニケーションは情報と情報が繋がるだけ。これからは人と人がつながり、お互いの顔が思い浮かぶコミュニケーションを目指していく」(NECインフロンティア第一事業本部IP技術統括マネージャー 小林佳和氏)
「汎用ソフトを使うことで、誰もが容易に使えるグローバルなコミュニケーション広場を提供する」(小林氏)アイティーメッセでは、ツールとして、多くのPCにプリインストールされているMicrosoft Office System 2003やWindows Messenger、またはCRM、ERP、SFAなどの業務支援ソフトパッケージと連携できるようになっている。
マイクロソフトのOffice System 2003などをアイティーメッセに組み込むための技術情報は、マイクロソフトとNECインフロンティアの間で結ばれた技術提携に基づいてマイクロソフトから提供されたもの。ちなみに技術提携を結んでから両者はOfficeアプリとIPテレフォニーを融合させたシステムのデモンストレーションをテクニカルイベントで積極的に展開している。アイティーメッセの原型も、今年の7月に行われたNetWorld+Interop 2003 Tokyoや10月に行われたCEATEC JAPAN 2003で展示されていたものだ。
NECインフロンティアがアピールするアイティーメッセの特徴は「相手のプレゼンスによって、最も適している手段をユーザーが選択できる」(小林氏)こと。
「相手のプレゼンス」とは、コミュニケーションを取りたい相手が現在何をしているかをアイコンで示す機能。広く使われているRTCでサポートされている「オンライン」「オフライン」をイメージしてもらえれば分かりやすい。席にいる(オンライン)のか席を離れている(オフライン)のか、電話中なのか取り込み中なのか。アイティーメッセでは、表示される相手の状態に合わせて、メールにするかチャットにするか、それともIP電話をかけようか、というようにユーザーが手段を選択できるようになる。
コミュニケーションを取るときに、まずは相手のアドレスなり、電話番号なりを調べなければならないが、Office System 2003と連携したことで、アイティーメッセは、WordなどのOfficeソフトに記述された人名をマウスでクリックするだけで、その人のアドレスや電話番号が表示され、そのまま電話をかける機能が実装されている。
「共有ワークスペースでもドキュメントから電話番号を表示できる。しかし、そこまでできるなら電話をかけてやり取りしたい。いままでは、データならデータだけ、声ならば声だけがつながっている状態だったが、アイティーメッセなら、Officeドキュメントと声を統合して扱うことが可能になった」(小林氏)
アイティーメッセは中小のSI事業者を中心に初年度2000本の売り上げを目指す。業務アプリとの連携については、マイクロソフトの協力を得てソフトベンダーに採用を働きかけていく。
技術面と販売面でアイティーメッセに協力するマイクロソフトからは常務執行役の眞柄泰利氏が製品発表会に出席。今回の協業について「ITの導入が遅れている中小企業や教育機関において、電話という分かりやすいアプローチからITのメリットをアピールできるアイティーメッセに、マイクロソフトは非常に期待し、かつ興味を持っている。ぜひ北米市場へも積極的に展開していただきたい」と述べている。
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[長浜和也, ITmedia]
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