News:ニュース速報 2003年12月4日 12:20 PM 更新

今年最悪のウイルスはSobig.F。スパムとウイルスの関係浮き彫りに


 英スパム/ウイルス対策企業Sophosは12月3日、2003年に最も猛威を振るったウイルスは「Sobig.F」で、同社に寄せられた被害報告の19.9%を占めたと発表した。併せて世界のスパムの30%がウイルス感染したPCから送信されるなど、ウイルスとスパムの関係が密接になるといった最近の動向も指摘している。

 MicrosoftのWebサイトをダウンさせようと試みたワーム「Blaster」や「Nachi」を抑え、メール増殖型のSobig.Fが2003年最もはやったウイルスになった。BlasterとNachiは8月に企業や家庭を襲ったワームで、8月はウイルス史上最悪の月になった(9月3日の記事参照)。

 Sophosは、今後も続くであろうトレンドを幾つか指摘している。例えばスパム業者はフィルターを避ける目的で、有害なテキストに無害なテキストを織り交ぜたり、スパムらしき用語を避けようと不正なHTMLコードや無作為に選んだ文字を利用するなど、複雑な技術を用いるようになっている。

 また、感染PCを利用して反スパム団体のWebサイトへサービス妨害(DoS)攻撃を仕掛けるウイルス「Mimail.E」や「Mimail.H」が登場し、スパム業者とウイルス作者の協力関係が浮き彫りになったと指摘(昨日の記事参照)。さらに同社は、世界のスパムの30%は感染PCから送られたものだと推定している。

 今年も引き続きWindowsユーザーにのみ感染するWindows 32ウイルスでワースト10が独占され、2004年以降もこの傾向は続くだろうとしている。また、OSに穴を開けてハッキングを可能にするバックドア型のトロイの木馬が急増したという。

 このほか、PayPalなどのオンライン課金サイトを装いカード情報を求めるワームの横行、司法/捜査当局のサイバー犯罪への取り組み強化などの傾向も指摘した。

 Sophos発表のウイルスのワースト10は以下の通り。

1. W32/Sobig.F(19.9%) 2. W32/Blaster.A(15.1%) 3. W32/Nachi.A(8.4%) 4. W32/Gibe.F(7.2%) 5. W32/Dumaru.A(6.1%) 6. W32/Sober.A(5.8%) 7. W32/Mimail.A(4.8%) 8. W32/Bugbear.B(3.1%) 9. W32/Sobig.E(2.9%) 10. W32/Klez.H(1.6%)

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▼ Sophosのプレスリリース

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