今、巷で一番人気のあるビデオカードは、と聞かれたらほとんどのパーツショップで「RADEON 9600 XT搭載カード」という答えが返ってくる。「ビデオカードベンダーに関係なく、RADEON 9600 XTが載っている製品の中で、価格がお手ごろなものを購入していく」というのがアキバパーツショップで聞いた意見だ。
このようにベンダーによる差別化がユーザーに伝わりにくい状況で、各ビデオベンダーは添付ゲームタイトルや、最新ゲームタイトルの公式サポートなどなど、「付加価値」で違いを出そうと努力している。
さて、このように苛烈なRADEON 9600 XTの市場に2月上旬から参戦するのがGIGABYTEだ。すでに12月から盛り上がっていたこの市場。参入するにはかなり遅れをとってしまった感もあるGIGABYTEから登場する「GV-R96X128DU」は「特別に選別したチップでオーバークロックしたパフォーマンス」で差別化を図っている。
製品の発表当初、日本のWebサイトではR96X128DUのコアクロックを500MHzと発表されていたが、その後、550MHzと10%アップのエンジンクロックで2月上旬から出荷することが明らかになっている。
日本ギガバイトによると「ATIとGIGABYTEとの間で話し合いをし、耐性の高いチップを選別して搭載することになったおかげ」と答えているように、GIGABYTEの独断専行オーバークロックバージョンというわけではないようだ。ある程度ATIも認めている「RADEON 9600 XT公式高速バージョン」という見方もできるかもしれない。
なお、クロックが上がっているのはコアクロックのみ。PowerStripで測定した限り(それから、GIGABYTEが公開しているスペック表でも)、メモリクロックは定格の600MHzのままになっている。
オーバークロックしているだけあって、ほかのベンダーの製品と比べてもかなり大きいクーラーが搭載されている。モノはRADEON 9600 PROを搭載していたGV-R96P128D Ultraのクーラーとほぼ同じ構造。そういえば、R96Pも定格400MHzのコアクロックを500MHz(なんと20%アップ)という勇気ある設定で動作させている。コアのオーバークロックはGIGABYTEにおけるRADEONセールスの基本戦略のようだ。
R96Xのクーラーはヒートパイプを採用したヒートシンクと、排気口に設置した多数のフィンによって効率よく冷却する仕掛けになっている。ただし、高効率のフィンによってクーラーに厚みが出てしまったのが難点。AGPに隣接するPCIスロットまで干渉してPCIスロットを一つ使えなくしてしまっている。
マザーボードがオンボードで各種機能を持つようになってきた最近では、それほど致命的なことではないかもしれないが、それでもPCIスロットが三つしかないminiATXマザーでは、不安を感じるユーザーがいるかもしれない。
さて、コアクロック10%アップしただけで、パフォーマンスがどれだけ変化するのか興味深いところ。そこで、お馴染みのベンチマークを使ってR96Xの実力を試してみた。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Pentium 4/2.53GHz |
マザーボード | GNB Max-L |
メモリ | PC2700 256MB×2ch |
HDD | DiamondMax Plus9(120GB) |
OS | Windows XP Professional +SP1 |
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