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海の男のIT事情「PCナビゲーション編」(2/2 ページ)

» 2004年02月05日 23時59分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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 ERCは専用のデータカードに海図データが記録されたもの。一部のエリアしかサポートされていないPECと異なり、日本全域をカバーしている。ERC専用カードをサポートするGPSプロッターが少ないという難点があったが、マップデータ日本航海参考図が登場したおかげで、数多くあるWindowsマシンでもERCデータを利用できるようになった。「ERCを使いたいけど対応機器が見つからない」とあきらめていたユーザーにとって、このメリットは大きいだろう。日本全海域が収録されていながら1万9800円と価格的メリットも大きい。

 この日本航海参考図の海図データは、GARMINの日本語地図表示機能をサポートしたGPS端末にダウンロードして使うこともできる(どちらかというと、こちらが本来の使い方)。海図データの全エリアサイズは4MB弱なので、マップ表示機能をサポートするGARMINのGPS端末(普及版のeTrexVista、Legendでも16Mバイトの容量がある)にすべてのデータが収録できる。

 オープンデッキで操船するヨットの場合、PCの画面を見るためにその都度キャビンに降りるより、波被るデッキで操船しながら使える海図データを登録したGPS端末のほうが、格段に便利であるのは容易に想像つくだろう。

日本航海参考図をeTrex Legendに読み込んで浦賀水道付近を表示。小さいモノクロ液晶画面ながら、ブイや灯台などの位置が分かる。ただし、灯質や固有名称などは表示されない。なお、英語版のeTrexを個人輸入して日本航海参考図を読み込んでも「日本語地図表示機能がサポートされていないので、正しく表示されないだろう」(日本版発売元 いいよねっと 中川博己氏)
日本航海参考図の浦賀水道付近をPCで表示。ナビゲーションソフトは航海計画機能やGPSプロット機能をサポート。地図表示機能がないeTrexVecture(ポイント表示機能のみ)やGeko 201(WayPoint表示機能のみ)でも、PCと接続することでGPSプロッター機能をサポートする。画面左の部分にはeTrexのナビゲーションページ(WayPointまでの距離と方位)が表示される

世界的な大手レーダーベンダーである光電製作所のブースでは、PC上にレーダーコンソールを実現する「RADERpc」を展示。光電のレーダーユニットから変換ユニットを介し、100BASE-Tで接続したPCに送信する。すでに欧米ではソフトのみ価格1000〜1200ドルで販売されているが、日本では「接続するPCが小型船舶技術適合証明書で求める耐振動性や耐水性を満たせないため、販売は難しい」(光電製作所理事マリン事業本部海外担当 藤野輝久氏)
PCに必須となる電力は、バッテリーで賄うことになる。バッテリーを充電するのにエンジンに取り付けたオルタネータで電気を発生させるが、エンジンを使う機会の少ないヨットでは太陽電池や風力発電がよく使われる。シマテックが参考出品していた風力発電システムはサイズを小型化して価格(約6万円)と騒音を抑えたタイプ。8月発売予定で現在耐塩害性能の評価試験中

ええい、やっぱりボートショーなんだからヨットも紹介しておこう。展示されているのは7隻と昨年より減っているが、ニューフェースとしてベネトウの32フィートとコンパックのキャットリグクルーザーが展示されていた
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