NTTが発表した透明なプラスチックの板は、低コストで供給できる容量1Gバイトの記憶媒体「インフォ・マイカ」。積層したプラ板のなかに符号化した凸凹を記録し、再生時にはレーザーを照射して凸凹に反射したパターンからデコードするというもの。
「量産時コストは100円から200円」という低価格と、「コピーコントロールが容易な記録メディア」というキーワードから、次世代のコンテンツ媒体として、多くの読者の興味を引き付けたようだ。
ただ、個人的に記者が注目したのは、記事の冒頭で出てきた写真。ただの「透明な板」というシンプルなその姿に、いたく心を奪われた。
最近、登場する最先端キーワードは「90ナノプロセス」とか「メタルゲート」とか「High-K」とか、とにかくとてつもなく微細な世界の話が多い。微細すぎてとても目で見ることはできず、発表会でメーカーが用意してくれるイラストと電子顕微鏡で捉えた「ぼへー」とした映像で、想像力たくましくイメージしなければならない世界になってしまっている。
このところ「最先端最先端というけれど、最近なんかピンとこんねー」という声が聞こえてきたりして、それが理科離れの一因かもよ、と想い巡らすとき、「インフォ・マイカ」のように「見た目でドッキリ」させてくれる製品が登場すると、「やっぱり技術も容姿が大事なんだよね」と研究者でも開発者でもない記者は思ってしまうのだ。
はたして、実際に研究に携わっている皆さんの考えはいかがだろうか。
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