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IBM、高性能半導体の低コスト製造に向けた新プロセス

» 2004年03月18日 12時30分 公開
[ITmedia]

 米IBMは3月17日、同社研究チームが非常に薄い薄膜をシンプルかつ安価に製造するプロセスを考案したと発表した。高性能かつ極めて低コストな電子回路の製造に向けた重要なマイルストーンだとしている。

 このチームはモビリティ(電荷移動度)の高い素材を液体に溶かす方法を開発、スピンコーティング方式を使って高い均一性を持つ薄膜を製造できるようになったとしている。この薄膜を使って製造したトランジスタでは、ほかのスピンコーティング方式採用の半導体と比べ、モビリティが約10倍向上したという。

 IBM Researchのチームリーダー、デビット・ミツィー氏は、こうした薄膜は「将来的に非常に低価格で湾曲可能なディスプレイ、さらにスマートカード、センサー、太陽電池向けの高性能回路の製造につながる可能性がある」と説明している。

 ミツィー氏のチームの論文は、科学誌『Nature』の3月18日号に掲載されている。

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