米IBMは5月12日、マサチューセッツ州ケンブリッジの同社オフィスで開いた戦略説明会で、二つのストレージ新製品を発表した。また、ストレージ管理・仮想化製品強化の取り組みにも触れた。
新製品の一つはSerial ATA(SATA)対応のエントリーレベルストレージサーバ「FastT100」。IBMではこの製品を、中小企業の「ニアライン・ストレージ」ニーズ向けと位置付けている。ニアライン・ストレージとは、テープからHDDへのリストアが必要なデータとは異なり、要求に応じてすぐにユーザーに提供できる状態にあるデータのこと。
FastT100は7月初旬に世界各国で発売の予定。価格は5月25日に発表するという。IBMストレージシステム担当副社長リッチ・レクナー氏は、EMCのCXなど、競合他社の同様の製品と比べて競争力のある価格設定にしたいが、恐らく5000ドル程度になるだろうと語った。
IBMはまた、Model 3592テープドライブのWORM(Write Once Read Many)対応を発表した。WORMは、頻繁にアクセスしないデータを大量に保管する必要のある企業に有用だとレクナー氏。Model 3592用の300GバイトWORMテープカートリッジの価格は、1本当たり223ドル、20本パックで4460ドル。5月21日に世界各国で発売するとしている。
60GバイトのWORM版および非WORM版テープカートリッジも発表されたが、価格は公表されなかった。
IBMは12日の説明会で、企業のデータ保管量が劇的に増える中、今後はSAN(ストレージエリアネットワーク)の管理と簡易化のためのツールの開発を重視する必要があると説明した。
SAN File SystemやSAN Volume Controllerなどのツールによって、企業はストレージリソースを仮想化し、企業ネットワーク上の各種ストレージデバイスでアプリケーションを展開できる。IBMはこれら仮想化製品導入例としてBlueCross BlueShield of Tennesseeの事例を紹介した。
IBMは、ストレージ容量・性能の強化を続ける一方で、これら仮想化製品の改良も進めていくと説明した。
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