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ソフト各社幹部、「オープンソースの価値」を議論

» 2004年05月21日 08時55分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米サンフランシスコで2004 SIIA Enterprise Software Summitが開催され、オープンソース支持者とMicrosoftの幹部が5月19日、それぞれのセッションでオープンソースの価値について異なる見方を示した。

 パネルセッションでは、MySQL、Novell、Collabnet、IBMの代表がオープンソースに対する楽観的展望を披露。その後のディスカッションでは、Microsoftのプラットフォーム戦略/パートナーグループ担当ジェネラルマネジャー、チャールズ・フィッツジェラルド氏が、オープンソース開発モデルに対する懐疑的な見方を示している。カンファレンスでは、Red Hatのパートナー開発担当副社長、マイク・エバンス氏もこのテーマに触れた。

 Microsoftのフィッツジェラルド氏は、オープンソースに市場があることを認めつつも、ソフトの無償配布について、「ソフトビジネスに関心があるなら最も魅力あるモデルとはいえない」とした。

 一方、オープンソース支持陣営は、オープンソースユーザーはソフトに金を払いたがらないとの見方に対し、オープンソースでも収益は上がっていると強調した。

 NovellのLinuxビジネスオフィスディレクター、マット・エイセイ氏は、「実際のところ、人々は金を払っている。認識が変わってきた。もはや、ただで何かを手に入れようとは思わなくなっている」と語った。

 Red Hatのエバンス氏は、オープンソースには、“ビジネスには使えない”とか“無報酬の開発者が生み出している”といった誤った認識がまかり通っていると指摘した。もっとも同氏は、すべてがオープンソースになるとは予測していないとも言い添えた。

 Novellの場合、コラボレーションスイートなどの製品でLinuxを補完しており、オープンソースはローエンド寄りの分野で成功するだろうとエイセイ氏は述べ、例えばOracleのような商業ソフト大手は、Javaアプリケーションサーバとデータベースの事業で、JBossやMySQLとの競合に苦しむことになるだろうとした。

 「(ローエンド分野では)負ける。OracleとBEAは(ハイエンド寄りの)高機能製品の開発を続けることになるだろう」(エイセイ氏)

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