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米半導体業界、ナノエレクトロニクス研究所設立を提案

» 2004年06月11日 08時33分 公開
[IDG Japan]
IDG

 あと15年もすれば現在の半導体技術が物理的な限界を迎えると予想される中、米国の半導体メーカーが国立のナノエレクトロニクス研究所設立を働き掛けている。

 半導体工業会(SIA)は6月9日、大学および米政府との間でナノエレクトロニクス研究所の設立と資金に関する話し合いを進めていることを明らかにした。SIAによれば、メーカーが新しい製造技術に移行するのに伴い米国が競争力を維持できるよう、この研究所は「大規模な研究の取り組み」を統率・調整する役割を担うものとなる。

 これに先立ちドイツでは、ドレスデンに同様の研究センターを設立する計画について、政府が業界と交渉中であることを認めている。

 SIAでは半導体メーカー、学会、政府が力を合わせた新たなナノエレクトロニクス構想を提案している。大学の研究者とメーカーが協力して、現在の技術の代替となる新素材や技術の発見、テストに当たる計画。

 問題となりそうなのは資金だ。SIAによれば、International Technology Roadmap for Semiconductorsがに盛り込まれたCMOSテクノロジープランに沿って計画を進めるためには、米国の半導体技術研究開発予算は今年、約15億ドルが不足しているという。

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