NECは6月14日、同社の2003年度までの環境活動についてまとめた「NEC環境アニュアルレポート2004」を公開し、環境活動に関する説明会を開催した。
同社では2001年度から「IT、で、エコ」というキャッチフレーズのもとに環境経営を推進。昨年3月には全廃棄物の再資源化を達成したほか、昨年度のCO2排出量を前年度比3%削減するなど成果を挙げている。
同社は環境経営を社内で実践し、ノウハウを蓄積するだけでなく、SCMサービスの一貫としても売り出す戦略だ。同社のSCMなら、コスト削減効果や効率化が図られるのに加え、環境負荷を削減できるとアピールする。
NECパーソナルプロダクツにSCMを導入した例では、消費電力を削減した新システムへの移管、需給リードタイムの短縮、棚卸在庫の削減などにより、CO2の排出量を2年間で約27%削減した。NECのコンピュータ製品の流通にもSCMを導入し、同23%抑えたという。
こういった社内の実績を説得材料に、SCM導入による環境面でのメリットを顧客に印象付ける戦略だ。同社は今年の目標の一つとして、営業マン1人あたり1件、同社製品・サービスの環境面でのメリットをアピールする営業活動を行なうことを掲げている。
商品開発では、同社が独自に定めた環境基準を満たす製品「エコプロダクツ」を増やす。省電力設計や、リサイクル可能部品の使用、有害物質を含まない材料の採用など、24の基準に適合した製品に「エコシンボル」を添付、環境に優しい商品であることをアピールする。
昨年度は、16製品群601機種、全製品の28%(売り上げ高比率)をエコプロダクツ化した。今年度は、エコプロダクツの売り上げ高比率を40%に上げるのが目標だ。
PCのリサイクルや再生にも取り組む。家庭系PCの回収リサイクル制度スタートに伴って昨年から始めたPCの回収事業では、昨年度1万7930台を回収。「消費者の意識が高く、予想よりも多く集まった」(CSR推進本部 斎田正之環境推進部長)。使用済みPCを買い取ってメンテナンスし、再生PCとして売り出す「リフレッシュPC」(関連記事参照)も、昨年度4000台を売り上げている。
高難燃性バイオプラスチックの開発(関連記事参照)など、環境負荷の低い素材の開発や実用化も進める方針だ。
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