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沖電気、160Gbpsで640キロの光通信に成功

» 2004年07月09日 16時02分 公開
[ITmedia]

 沖電気工業は7月9日、1波長あたり160Gbpsの情報をやりとりできる光送受信装置を世界で始めて開発し、640キロの長距離伝送に成功したと発表した。同装置は来年出荷開始し、新技術は2010年ころの実用化が期待されている基幹系通信網への採用を目指す。

 従来技術は、40Gbpsの光を、遅延回路などで擬似的に4倍にして160Gbps通信を行っていた。同じ信号を4つに多重化しているため、実効速度は40Gbpsのまま。温度変化や振動による特性変動も大きく、長時間通信や長距離伝送に向かなかった。

 今回、新開発した「光時分割多重モジュール」により、別々のデータ信号4つを合わせた“真の”160Gbpsデータが伝送可能になった。40Gbpsのデータ変換信号×4を生成し、その後結合させて160Gbpsの信号を出力する。

従来技術との比較

 隣り合う信号との重なり部分を消して伝送中の波形歪みを軽減する「搬送波抑圧信号」の利用や、新開発した光位相制御器により、長距離の安定伝送が可能になった。

 同装置は7月13日から東京・幕張で開かれる「インターオプト2004」のアンリツブースに出展され、120キロ離れた地点からの160Gbps伝送実験を展示する。

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