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「契約を勝ち取れ!」――バルマー氏、MSパートナーに檄(1/2 ページ)

» 2004年07月16日 15時53分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)は、同社パートナーに明確な任務を命じた――「行け、そして契約を取れ!」と。

 「われわれは誰よりも速いペースで成長しており、ともに重要な点で真にビジネスを成長させられる」とバルマー氏はMicrosoft Worldwide Partner Conferenceの最終日である7月13日に、各国から集まった約5500人のパートナーに向けて語った。同カンファレンスはカナダのトロントで開かれた。

 「ともにチャンスをつかめるのなら、相手が誰でも構わない。さあ行こう。勝って、勝って、契約を勝ち取るのだ」と同氏は手をたたきながら、トレードマークのエネルギッシュなスタイルでパートナーに檄を飛ばした。

 Microsoftは製品のほとんどをパートナーを通じて販売している。同社は最近「Microsoft Partner Program」を刷新。同プログラムには約80万社が参加し、うちおよそ4万社はえり抜きの「Certified」「Gold Certified」レベルという。

 このパートナー会議で、同社は市場に対する見方や、どの分野に最大のチャンスを見込んでいるかをパートナー各社に示した。2つの「またとないチャンス」として、同氏はNovellユーザーとIBM Lotusユーザーの乗り換えを挙げた。

 「これら2つのインストールベースは、当社のパートナー基盤に小さな勝利をもたらす準備ができていると思う。Novellのインストールベースを追いかけて、彼らが現代世界に加わる手助けをしよう」(バルマー氏)

 IBMのLotus Notesに関して、同氏は過去5年間よりも、NotesからExchangeへの移行に対する関心が高まっていると語った。

 Microsoftは口で言うだけではなく、今年度はパートナーへの投資を前年度よりも2億ドル多い17億ドルにすることを発表した(7月12日の記事参照)。また、パートナーとの共同マーケティングに割り当てる予算も増やすとしている。

 拡大された分の予算は、Microsoftがパートナーのサポートを改善するために使われる。同社の計画には、見込み顧客への共同デモなどでパートナーを支援できる専門家をもっと現場に派遣することなどが含まれる。

 すべてのMicrosoftパートナーがこの予算拡大の恩恵を受けるが、Microsoft Business Solutions(MBS)部門の製品を販売するパートナーへの配分はほかのパートナーよりも多少大きくなると、パートナーセールス・マーケティング担当ジェネラルマネジャー、ドン・ネルソン氏。MSB部門はエンタープライズリソースプランニング(ERP)製品を手がけている。

 パートナー向け予算拡大のほか、Microsoftは関連会社に、ダイレクトマーケティング用の予算の35%をパートナーとの共同マーケティングに配分し直すよう指示した。これは一部のMicrosoft関連会社、特に欧州支社にとっては大きな変化だが、米国などほかの地域ではそうではないとネルソン氏。

 さらに同社はこのほかにも、パートナーがもっと契約を獲得する助けになると期待する方法を発表した。その1つとして、システムインテグレータ、リセラー、独立系ソフトベンダー(ISV)にもっとうまく合わせるために、パートナー向けサービスパッケージを改善した。

 刷新版のサービスは、「Microsoft Services Partner Advantage Standard」「Microsoft Services Partner Advantage Plus」の2つのプランの形で提供される。これらはあらゆる規模のパートナーに提供され、利用料は年額8000ドルから。またパートナーがMicrosoftプラットフォームを基盤とする製品を開発したり、同社製品を実装・サポートするのを支援するため、Microsoftの専門家とツールも提供する。

 このイベントに参加した一部のパートナーは、Microsoftがサービス分野で自分たちと競争するつもりなのではないかとの懸念を示したが、バルマー氏は、Microsoftのサービス部門はパートナーを支援するためだけに存在していると断言した(7月14日の記事参照)。「当社はサービス事業には従事しない」と同氏。

 NovellとLotus Notesの顧客をMicrosoftプラットフォームに乗り換えさせることのほか、Microsoftは既存顧客をアップグレードさせることを大きなマーケットチャンスをとして強調した。

 「検討すべきチャンスがたくさんある。Windows NT 4 Serverを載せたシステムはまだ210万台残っている」とサーバプラットフォーム部門上級副社長ポール・フレスナー氏はカンファレンスのプレゼンテーションで語った。

 NT 4.0 Serverのサポートは今年末に終了する予定なので、Microsoftはアップグレード需要が高まると期待している。NTサーバの多くはExchange 5.5を搭載しており、Microsoftはこれについてもアップグレードを促したい考えだ。顧客はアップグレードすれば、「Active Directory」を実装することになり、そうなればMicrosoftパートナーの仕事は増えるとフレスナー氏。

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