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ネットコミュニケーション、子どもにどう教える? フューチャーキッズの取り組み

» 2004年07月27日 20時11分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「何言ってんだよ」――ネット上でこう発言をした人は、どんな感情を抱いているだろうか。怒っている、ふざけている、呆れている……何通りにも想像できる。

 7月24日、東京・渋谷の子ども向けIT塾「フューチャーキッズ」で開かれた、小学生の親子向け「親と子のネット安心教室」では、一つの発言の裏にある感情の多様性を理解させる試みが行われていた。

 怒った調子、ふざけた調子、呆れた調子の「何言ってんだよ」音声に、さまざまな表情の画像を付けて子ども達に見せ、発言者がどんな気持ちかを推測させる。同じ文字でも多様な感情が表現できることを実感させ、文字だけのコミュニケーションでの限界を教えようという試みだ。

怒った顔や呆れ顔など、色々な表情を見せながら、「何言ってんだよ」音声を聞かせることで、表情も感情を表す手段になると教える

 その後行われたチャット実習「なりきりチャット」では、子どもと先生がそれぞれ、「おじいさん」「警察」「学校の先生」「小学生」など、与えられた役割りになり切って会話した。自分の役は他の人には秘密だ。

 チャット終了後、誰が何の役をしていたか当てっこしたが、ほとんど当たらず、子ども達はネット上で正体を偽る簡単さを身をもって実感していた。

「なりきりチャット」での会話

 教室を運営するフューチャーインスティテュートは「単にルールを作って教え込むだけでは、子どもは納得してくれないだろう」との考え。ゲームやチャットを通じて、ネット上のコミュニケーションの特性を無理なく学んでもらうねらいだ。

 同社のネット安心教室はこの日が初めてだったが、親子とも授業を楽しんでいるようで、反応は上々。参加した中学1年生の母親は、「佐世保の事件以来、ネットモラルを教えてくれる教室を探していた。とても勉強になった」と話していた。

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