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ウイルス対策ソフトの更新価格上昇の理由は?(2/2 ページ)

» 2004年11月11日 17時42分 公開
[IDG Japan]
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 それに、多くのPCユーザーは、年間契約の更新価格引き上げを受け入れているようだ。McAfeeのケリガン氏によれば、VirusScanの年間契約更新率は80%以上だという。しかし――スタンドアロン製品の最新版にであれ、フル機能スイートにであれ――アップグレードを選んでいるユーザーも、多少なりともいるわけだ。

メーカーは圧力を感じている?

 業界専門家によると、この値上げの背後には恐らく、新たなインターネット上の脅威以外の要因もからんでいる。業界の巨人、Microsoftとの将来的なウイルス対策市場での競合もそうした要因の一つだ。Microsoftは最近Windowsのファイアウォールを強化し、ウイルス対策ソフト市場参入への意向を明らかにした

 「Microsoftが大きな要因となるだろう」とIDCの調査マネジャー、ブライアン・バーク氏は言う。

 ソフト業界団体Software & Information Industry Association(SIIA)のソフトウェアプログラム担当部長であるフレッド・ホッチ氏は、Microsoftやそのほかのソフトメーカーのウイルス対策およびデスクトップセキュリティソフト市場への参入は、将来的に価格下落を招くだろうと言う。

 「しばらくは競争市場となり、価格は下がるだろう」とホッチ氏。

 セキュリティ機能がより多く搭載されたWindows XP SP2のリリースや、Computer Associates International、Check Point Software Technologiesといったメーカーとの競合は、McAfeeが2005年版製品の多くで価格を据え置いた理由の一つだとケリガン氏は言う。

有名ブランドもの

 2大ウイルス対策企業を追う競合各社だけでなく業界専門家も指摘していることだが、消費者は既に、ブランド名に高い金を支払っている。

 セキュリティソフトベンダー米Trend Microのコンシューマー製品部門でプロダクトマーケティングマネジャーを務めるアニー・チェン氏によれば、Trend MicroのPC-cillin Internet Securityスイートには、スパム対策機能やポップアップ遮断機能など、SymantecやMcAfeeが近年製品に追加したものと同じ機能が多数備わっている。それでも同社はこの3年間、50ドルというスイート新規購入価格も、25ドルの年間契約料金も上げていない。

 もっと安い選択肢があるなら、ユーザーは喜んでブランドを捨てるだろう。しかし、PCユーザーに贈るアドバイスは、買う前によく検討するということだ――ソフトベンダーからスイート製品を押し付けられるのではなく。

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